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第209話

 下に降りていくと、優弥さんが手招き為ている。 俺はぷりぷりしつつも、軽く頷き傍に行った。 「何を騒いでるの?喧嘩か?」 「あっ、いや……喧嘩……です」 「何が原因?」 「あっ…」 「待って!喧嘩なんかしてない!」 大声で叫びながら、砂川が飛び込んできた。 「優!」 振り向くと、優は俺に向かって体を投げ出して来た。 俺は蹌踉けながら思わず優を抱きとめると、 「危ないだろう!ったく」 「ごめんね、ごめんね、我が儘だった。」 「あのなぁ、いつもと違うよ。お前は……落ち着けよ。」 富永が後から入ってくると、 「圭吾が鈍いの!優は随分前から悩んでいたのに」 「はぁ?お前ら知ってたの?知ってて、何もの言わなかったの?」 こいつら、舐めてるのか? 「圭吾よ、それを俺らが聞いて、どう話すよ。優が話すからって言ったら、黙ってるしかねぇんだよ」  信也さんが興奮為ている俺たちを座らせると、 「僕も優弥も何のことか判らないんだけど……優、判るように話してくれない?」 砂川は涙を拭くき、二階での経緯と自分の思いを話し始めた。 「圭吾は……それを聞いてどう感じた?」 「俺たちは、今で色々なことを、話し合う事で解決しているって思っていたんだ。なのに……優は……今回決めつけて来たんだよ。学校の役割分担みたいなこと言いやがって。愛してほしいって言えば済むことなのに。抱かれたいんだって言えば、いつだってそうしたのに。 お前は要するに受け同士になったら、俺がお前を嫌がり、別れるって言い出すって事を心配して……なかなか言い出せなかったんだろ?ばかばかし!」 黙って頷く砂川を抱え込むように 寄り添う富永が、 「圭吾、もう少し優しく言ってよ。 怖いから。優が震えてる……」 突然、優弥さんが信也さんを抱き込み、 唇を重ねた。 信也さんも素直に体を預けて、されるがままだ。 俺ら四人は、その光景をただ見つめていた。 「信也……愛してるよ」 「優弥……して欲しい……」 「どうしてそんなに可愛いの?」 お~いいつまで続くの?愛の劇場は? 優弥さんは、優しく信也さんを抱きしめながら 「僕はねいつも受けなんだよ。でもね、愛し合うってさ、お前たちも判ると思うけど、いつもいつも同じ感情じゃ無いだろ?時にはこうなるこどもある。 セックス為ている最中に代わって行くことだってある。僕はね初め拘っていたよ。自分は受けしか出来ないって言うより、女性を抱いていて違和感があったから、本当は抱かれたいんだ。 でもね、信也が甘えた時もあるんだ、抱いて欲しい時もあるんだよって言ったのさ、それで、僕たちは当たり前のようにその感情を受け入れたよ。優は圭吾の言ってるとおり、決めつけすぎだよ。 何時もみたいに甘えなさい!みんなの前で甘えてるように。恥ずかしげも無く」 優は必死に答えている。 「そうしたいけど……圭吾が普段頑張っていると思うと、ベッドでは僕が格好良くないとって考えてしまうんだ」 「優は可愛いの!格好良いけど!可愛いの!そこが堪らないんだよ!ばか…」 俺はったく恥ずかしいよ~こんな事、大ぴっらに話すことか?    そこ!いつまで寄り添っている? 離れろ!富永!なんてな。 いつも有難う!優しくて助かるよ。 「優……おいで……」 泣きながら抱きついてきたよ~可愛い! 「愛してるよ……優」 「ぼっ……僕も……愛してる……」  俺はもう一度ぎゅっと優を抱き締めると、 「済みませんでした。お騒がせして。後でゆっくり話し合います。好弥、新、 サンキューな。」 矢島に抱き寄せられている富永が泣きながら。 「良かったね……優ちゃん……安心したよ~」 「おれ~お腹空いたよ~」 矢島の腹が高らかに鳴り響くと、みんな大笑いでテーブルについた。 やっと夕食だよーん。 皆さまごめんなさい! 雨降って地固まるなんで~ 許してねっ! これが大切なプロセス。 当然なんて無いんだ。 大好きな人……砂川優。 いつもいつも想っている!

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