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第210話

夕食の後片付けを済ませると、砂川が 少し照れながら、 「圭吾……後で行っても良い?」 「勿論!いつでもおいで!なんなら今からでも……」 砂川はにっこり笑うと、 「駄目~宿題してから~圭吾は終わった?」 「まだに決まっているでしょ!後で見~」 と言い終わらないうちに、後ろから背中を殴られた。 「痛ぇなぁ、ったく!判ってるんだ新!」 俺は振り返りざま、矢沢にヘッドロックをかけた。 「やめろ~バカ~危ないだろうが!」 「うるせえ、先にやったのはお前だ!」 わちゃわちゃ組が止めに入ってきた。 「ねぇ、危ない!圭吾のばか!新が可哀想!」 富永の悲痛な叫び!に砂川も加勢する。 「圭吾!やめないと、宿題見せないから!」 おっと、それは死活問題だ。 「はい!やめました!だから~?見せてね!」 矢沢は首筋を擦りながら、 「お前なぁ、自分でやらんと後で困るからなあ。テストはみせてやれんのだから~」 砂川も大きく頷く。 「じゃあさぁ、自分でやるから答え合わせしてよ~」 お~富永良いこと言うなぁ。 「それなら良いよね、新?」 うちの優等生組は甘いの~ねぇ シメシメ~善は急げ! 俺は真っ先に部屋に飛び込んだ。 適当適当にやり~見せて貰おう~っと。 うん?ノックする奴は誰だ! 「だあれ?」 「俺~優」 入ってくるなり、 「圭吾~適当な答え書いても……間違っていたら、そこで勉強会するからね!」 そう言い残し、風のように去って行ってしまった!はあ?読まれてる?行動が先読みされてる~ではないか! チッ、仕方ない、勉強します。  それから俺は、砂川曰くたった3枚しかない数学のプリントに三時間かけていも終わらせられないでいた。 もはや、ブラックホール突入だよ~ 誰か~助けて……いや~砂川君!助けて~あんな事やこんな事出来ないよ~ それでも良いのですかぁ。 おーーーい。 すーなーがーわーーゆーうーくーん!!

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