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第四話 思い出の蓋を開けて 7

 クリスがただのミイラ男ではないと言い出したジョシュア。時より見せる仕草やその見た目は確かに人間によく似た部分もあるが、そもそもクリスがミイラ男と人間のハーフだという事は皆が既に知っている事。訳の分からぬ話の展開に戸惑うウェアが耳を傾けて問い掛けた。 狼男 「何それ……どういうこと?」  目を反らしたまま組んだ手の親指をくるくると回しているジョシュアは、どうやらその何かを言うべきか迷っているようだ。 ドラキュラ 「昨日、クリスの血を飲んだんだ。」 狼男 「………!!」 ドラキュラ 「前からさ、あいつから漂ってくる甘い匂いが何なのかってずっと気になってたんだ。あいつには言わなかったけど……味が全然違った。あれは普通の生き物の血の味じゃない。」 狼男 「だってあいつは人間とミイラの……」 ドラキュラ 「真に心清き者には永遠の命を。欺く者には絶望を。」 狼男 「………?」 ドラキュラ 「血を飲み込んだ時、心臓が止まりかけた。」 狼男 「お前、それって……」 ドラキュラ 「まぁ答えは一つだろうね。俺のあいつへの愛は……」  その視線がゆっくりとこちらに向けられる。彼の赤い瞳が真っ直ぐにウェアを見据え、ジョシュアはこう言った。 ドラキュラ 「………欺き。」

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