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第一話 その子の名は、ダニエル 7
ダニエル
「……ここは寺か何かか?今にも崩れ落ちそうだな。」
廃屋の入り口でバーロンがコンパスを開き左右に手を動かす。そしてコンパスを消し振り向くと、ダニエルに言った。
バーロン
「ここに違いない。入り口を探すぞ、お前も手伝え。」
ダニエル
「あ?何言ってんだ、あんたが今立ってるそこが入り口だったとこだろ?もう崩れちまってるけど………」
バーロン
「青二才が。奴らは基本的にこういった遺跡や何かの跡地の地下に都市を築き暮らしている。一目と日の光を避けるためにな。本来その入り口は上手い事隠され、奴らにしか扉を開けることは出来ん。」
ダニエル
「………じゃあどうすんだよ。どっかからミイラ攫ってくるのか?」
やれやれ……と呆れて視界を上にするバーロンが障子の抜けた襖をカタンっと開けるとその部屋の奥に観音開きの大きな仏壇のような物が置いてある。使われている木は新しくはないが、建物ほど朽ち果ててもいない……どうも違和感のあるその仏壇の蓋を開くと、その中には謎の文字が刻まれた石の扉が隠されていた。
バーロン
「……やはりな。」
封筒を開け、折られた便箋を真っ直ぐに広げたバーロンは、扉の中央に彫り込まれている石板の上に書かれている文字を下向きにして手紙を置いた。そしてある呪文を唱えその手を離した直後、手紙が燃えて灰になった。
ダニエル
「な……どうなってるんだ?!」
バーロン
「お前にはまだまだ学ぶべき事が山ほどあるってこった。」
そんな皮肉を言ったバーロンが開かれた扉の中へ躊躇いも無く入っていく。
ダニエル
「……罠じゃないのか?」
バーロン
「怖気づいたのなら付いて来なくてもよいぞ、わしが戻るまでそこで指をくわえて待っていろ。」
ムスっとした表情でバーロンの後に続くダニエル。螺旋 状の石段を降り切り、奥の突き当りにある石の扉の前の両サイドに武器を構えたミイラが二体、そしてそのミイラ達の半分ほどの身長しかない小さなミイラが一体、両手で杖を抑えた格好で中央に立っている。
バーロン
「ドーナから言われてきた。」
「………お主もケルスじゃの。」
バーロン
「左様。」
「賢い選択だ。若造一人ではここを見つけ出す事すら叶わんじゃろ。」
バーロン
「あぁ、ついて来て正解だった。」
ダニエル
「………(怒)」
「さて、こんな所で立ち話も何だ、中に案内しよう……とその前に、念のためここで確認をしておく。燃えた手紙には何と書いてあった?」
ダニエル
「………?」
バーロン
「………双子のミイラ、トゥコテとテクト。」
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