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 ルカの体が、いやその全てが欲しい。吸いつくほど瑞々しい肌を味わうように、ルカの背中を私の舌が滑り降りていく。横腹へと回り、そこから今度は上へと登る。波打つ肋骨を乗り越えると、表皮の向こう側にある頼りなげな固さが舌に伝わった。  その摩擦が与える刺激に、ルカが耐え切れなくなったように身じろぎし、熱い吐息と喘ぎ声がその唇から洩れ出してくる。  私の舌がルカの脇へと到着すると同時に、左手はルカの胸からお腹を経て、下腹部に触れた。  加えられた快感が、その下腹部にあるルカの百合の蕾を精一杯硬くさせている。開花を助けるような私の手の動きに、その先端からは歓喜を待つ雫がこぼれるようにあふれ出した。  ルカが仰向けになり、私を見つめる。切なく寄せる細い眉は、誘うようでも、縋るようでもある。男性はもちろん、女性にすら感じたことのない性的欲求を、ルカは私の魂の中から汲みだしていくのだ。それは、涸れることのない聖なる泉か、それとも背徳の井戸か。  もう、どちらでもいい。無意味の中に見出した水の中、私はどこまでも沈んでいっている。  衝動的に、と言うべきだろうか。私は自分の顔をルカの下腹部へと動かし、その硬くなったものを口に含んだ。舌を這わし、抽送を繰り返す。ルカの嬌声が頂点まで達したとき、その先端から粘性の高い液体が湧き水のようにあふれ出した。それを全て受け止め、喉の奥へと飲み込む。  荒い息を吐きながら、ルカが右手で私の頬を撫でた。 「中でもいかせてよ」  そう言って、私を引き寄せる。唇と唇を合わせながら、ルカの手が私のものをルカの体内へと至る入り口にあてがった。  粘膜同士がこすれ、温かさに包まれる。伝わる振動は、物理的、心理的、その両方で作用し、二つの魂を共振させた。それに耐えきれなくなった二つの魂が、微細な粒子へと分解され、そして新たな一つの塊へと融合していく。そんな白昼夢にも似た幻想が、ルカの裸体と重なった。  前頭部、胸部、そして性器の先端部に、掻きむしらずにはいられないほどの痛痒感が広がっていく。それらが限界に達し、大きく爆ぜた瞬間、私の魂の一部がルカの体内へと注がれる。それが何度も何度も跳ねる度に、ルカの体が硬直と弛緩を繰り返した。  押し寄せる疲労感に身を任せ、ルカの体に自分の体を預ける。二人の胸が、荒い息に上下し、同調するように動いていた。 「不思議だね」  ルカが私の耳元でささやく。 「何がだ」 「男でも、中で『いく』なんて」  別にルカは、何かしらの答えを求めているわけではないのだろう。 「そうだな」  私はそうとだけ答え、ルカの隣に身を横たえる。そのまましばらくの間、二人一緒にまどろみの中へと身を沈めた。

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