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第44話
4ー3 だめぇっ!
魔王は、俺を抱いて部屋から出ていくと手近なところにある部屋へと入っていく。
そこは、かつて両親の部屋だったところで大きなベッドがそのまま置かれていた。
たぶん、俺が嫁を連れて帰ってきたときのためだろう。きちんとベッドメイキングもされている。
そこへと魔王は、俺をそっと下ろすと俺の上に覆い被さってきた。
「愛しているぞ、ティル。我が番よ」
いきなり唇を奪われて、俺は、呻いた。
「んぅっ!ふっ・・あっ・・」
魔王の舌が俺の中を掻き回すと同時に、俺の中へと奴の魔力が流れ込んでくる。
甘い。
俺は、呼吸を乱し魔王の舌を求めていた。
乾いた大地に雨水が染み透っていくように、俺の中へと魔王の魔力が流れ込み、潤していく。
俺は、夢中で奴の体にしがみついていた。
魔王は、俺の唇を舐めると囁いた。
「かわいい奴だ」
「うるせぇ!」
俺は、奴をこんなにも求めている自分に驚き戸惑っていた。
「お前のことなんて」
「まだ、認められないのか?」
魔王は、俺の胸の頂へと唇を落とした。そこを強く吸われて、俺は、体を反らして呼吸を荒げた。
こんなこと、望んでなんていない筈なのに!
俺の体は、確かにこいつのことを求めていた。
魔王が俺の下履きを脱がせると中からすでに固くなったものが飛び出してくる。
すでに先走りに濡れているその先端を魔王は、掴むとそこに気を流し込んでくる。
「あぁっ!」
熱い。
俺は、声にならない悲鳴をあげていた。
狂おしいほどの快感が俺を満たしていく。
俺は、歯をくいしばり声を殺した。
ここは、壁が薄い。
「安心しろ、ティル。ここには、結界をはった。誰にもお前の声は聞こえない」
「で、もぉっ!」
俺は、魔王に抗議した。
「みんなに、何してるかバレバレだしっ!」
「そんなこと、気にするな。今は、お前が気を向ける相手は、この私のだけだ!」
魔王は、その昂りを俺の後孔へと押し付けると慣らしもしないで押し入れてきた。
鋭い痛みに、俺は、呻いた。
だが、それでも拒むことはできなかった。
俺の体は、確かに、この男を求めていて。
俺は、柔らかにこの男を迎え入れていった。
穿たれて、俺は、鳴き声をあげていた。
「あっ、あぁっ!そんな、奥、いきなりっ!」
奥まで押し開かれて、俺は、堪らず達してしまった。だが、魔王は、かまわずに俺のことを責め続ける。
「やっ!だめっ!いってるのにぃっ!」
俺の抗議は受け入れられることなく、俺は、その夜、意識を飛ばすまで抱かれることとなった。
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