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第65話
5ー10 お仕置きですか?
体が。
熱い。
熱くて、もう、溶けてしまいそうなぐらい俺は、どろどろになっていた。
静かな部屋の中には、ただ、俺の乱れた呼吸音だけが聞こえていた。
俺は、自室のベッドの上で身じろぎもできずに熱い吐息を漏らした。
俺は、全裸で手足を枷で縛られていた。
開かれた両足は、両手と枷で繋がっていて、俺は、暴かれた体を隠すこともできずにいた。
俺の下半身は、すでに固く屹立していて、だらだらと透明な液体を漏らしている。
いきたい!
俺は、涙に霞んだ目を瞬いた。
涙が頬を濡らす。
「あっ・・ふっ・・」
枷をはめられた俺の口から自然と声が出る。
いきたくてもいけない地獄に俺は、体をふるふると震わせて堪えていた。
俺の全身には、番紋が浮き上がっていた。
そして、下腹部には、淫紋が。
もう、何時間もの間、俺は、こうして苛まれていた。
「んぅっ・・!」
俺は、もう、堪えきれなくなっていた。
いきたい。
誰かに触れて欲しくって。
俺は、気が狂いそうな情欲の炎に炙られて涙を流しながら、体を揺らした。
「あっ・・うぅっ」
助けを呼ぶこともできずに俺は、この責め苦に堪えていた。
なぜ、こんなことになったのかというとそれは、俺が自ら招いたことだった。
俺は、焦っていた。
なんだか、自分だけが取り残されているような気がしていたんだ。
それで。
俺は、恋活しようとしているときに、ガイが他の人と浮気しているときいて、たまらなくなって。
だって、俺の部屋付きのメイドさんであるメリノさんにガイが手を出していたんだからな。
怒りに目が眩んだ俺は、ガイの部下であるサリュウさんと一線を越えようとしていた。
そこをガイに目撃されたのだった。
俺は、そのときのことを思い出してぶるっと体を震わせた。
あんなおっかないガイを見たのは初めてだった。
ガイは、問答無用で俺をベッドに押し倒し衣服を剥ぎ取ると、俺の体に魔力を流し込み番紋と淫紋を浮き上がらせた。
そして、俺を枷で縛り上げた。
「しばらく、そのまま反省していろ」
はい?
俺は、淫紋の作用ですでに体が高ぶっていた。
「も、いかせ、て・・ほしいっ!」
必死に頬を火照らせて訴える俺をガイは冷酷に見下ろしていた。
「お前は、他の者に手を出す程に飢えている様だからな」
ガイが口許を歪めた。
「たっぷりと楽しませてやる。だが、私は、所用がある故にしばらくそのまま待っているがいい」
「そんなっ!ガイっ!」
ガイは、俺の口に枷をはめると部屋から去っていった。
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