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第75話
6ー6 しばらくお待ちください!
俺と勇者様は、サティ様に呼ばれて彼女らのテーブルへと移った。
近くで見るとサティ様は、ごく幼い美少女だった。
「寛ぎの時、お邪魔して申し訳ございません、『聖王』様。初めてお目にかかります、私は、ジストニア王国第3王女サティ・ジストニアでございます」
俺は、サティ様の挨拶をきいて、いたたまれなく思っていた。
『聖王』って、誰が言い出したわけ?
俺、神子様から『聖王』とか呼ばれちゃうようなこと何もしてませんけど?
「ご丁寧なご挨拶をありがとうございます。俺は、カナンの村のティル・ソニアです」
俺は、サティ様ににっこりと微笑んだ。
「この度は、『雪花の祭り』においでくださりありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、お招きをいたたきましてありがとうございます。とても盛大なお祭りのようで楽しませていただいております」
「それは、よかったです」
俺は、やんわりと問いかけた。
「で、何か俺にご用ですか?」
「ええ。その、少し『聖王』様にご相談があって」
サティ様がぽぅっと頬を赤らめた。
「たぶん、もうすぐ父王からの知らせがくると思いますが、この度、私、サティ・ジストニアは、『聖王』様の婚約者となることになりました」
はいぃっ?
俺は、驚いたなんてもんじゃなかった。
なんですと?
サティ様のお相手は、ロリコン勇者様じゃなかったんですか?
なんで、俺?
驚きを隠せない俺にサティ様は、さらに頬を赤らめた。
「驚かれるのは無理もありません。『聖王』様は、私のような小娘よりもその、ここにいるアストレイのような方がお好みだとか。まだ成人もしていない私のようなものなど、ご興味もないかもしれませんが」
はい?
俺は、目が点だった。
なにその誤情報。
まるで、俺が男が好きだというようなこと、誰が言ってるの?
俺は、女が好きなんだよ!
俺は、プチパニックになっていた。
いったい、この子にどこから突っ込んでいけばいいわけですか?
俺は、軽く咳払いをした。
「あの、失礼ですがサティ様」
「はい?」
その怯える小動物のような目は、やめてくれ!
俺は、サティ様のことを凝視した。
「あの、誤解があるようなので。俺は、間違いなく異性愛者なんでお間違いなく」
俺は、サティ様にお伝えした。すると、サティ様の顔がみるみる青ざめた。
「本当ですか?」
「本当です!」
俺が言うと、サティ様は、ますます顔を真っ青にした。
「すみません!こちらに不手際がございました。しばらくお待ちください!」
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