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第7話

遼の自宅があるマンションの玄関前には人相の悪い屈強な大男が二人立っていた。 「昆さんお帰りなさい」 腰を九の字に曲げ頭を深く下げた。 「変わりはないか?」 「はい」 顔を上げた男たちと何気に目が合い、茉弓と一緒に慌てて頭を下げた。 「初めまして鬼頭光希です。妹の茉弓共々お世話になります」 「昆さんにぶっ殺されます。お願いです。頭を上げてください」 男たちがそわそわと慌てはじめた。 「右が細貝で、左が有原だよ。光希、中に入ろう」 龍に手を引っ張られ家の中に入った。ダウンライトだけが灯る廊下を歩き、正面の部屋へ入った。見たことがないくらい大きなベットが二つ並んでいた。ベット以外なにもなく、妙にがらんとしていた。 飾りといえば、壁一面を覆うガラスから見えるのは夜景のみだった。 「僕の部屋は隣。散らかってるから見ないほうがいいよ。光希と僕はここで寝るから、茉弓さんは隣のベットで寝て」 「ありがとう龍成くん」 茉弓はすごいーと歓声をあげ、窓に駆け寄った。 「龍成はどういう訳か高いところが苦手なんだ」 「だから三階に住んでいるんですね」 「そういうことだ」 茉弓がシャワーを浴びている間、宅配便で送る荷物の準備をしていたら、 「光希だけずーとここにいてよ。昆といても息が詰まるだけだし、監視されているようで嫌なんだ」 「友だちは?」 「近所にはいないけど、学校に行けばいっぱいいる」 隣にぺたんと座り込むと、甘えるように体をスリスリさせてきた。

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