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4ヶ月後……新たな出会い
それから四ヶ月後。
俺は遥琉が蒼生と暮らす隣の部屋の台所にいた。
「橘さん、お願いがあります」
「昆さんの胃袋を掴む方法を教えて、ですか?」
「ち、違います」
慌てて首を横に振った。
「明後日、龍成と出掛けるのでお弁当を作ってあげたいなと思ったんです」
「分かりました」
橘は十日前に遥琉と蒼生と一緒に暮らしはじめた。入院中の妹さんがいるみたいだけど、込み入った事情があるみたいで、何があったのか聞きたくても聞けずにいた。
「優璃、俺たちも海を見に行くか?テストも無事に終わったことだし」
遥琉がぬっと現れて。
橘を後ろからそっと抱き締めた。
「ちょっと遥琉!」
「隠してもどうせすぐにバレる。俺と優璃は恋人同士なんだ」
遥琉は橘の首筋に軽くキスをすると、白い項はみるみるうちにさくら色に染まっていった。
「甘えん坊だし、すぐに焼きもちを妬くし、駄々はこねるし、お子ちゃまの兄貴のどこがいいんだか、いまだによく分からないんだ」
蒼生がやれやれとため息をつきながら冷蔵庫を開けて飲み物を取り出した。
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