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愛と狂気。

「ふふふっ。先輩の体、意外に感じやすいんですね。乳首を舐めただけでこんなに先は堅くなってますよ? 貴方は嘘つきですね。でもそこが可愛いです。わかります? 自分でもここが感じてること――?」 「やっ、やめろ……!」  縛られた手をほどこうと暴れると、ネクタイが少し緩んだ。するとアイツがベルトをキツく上に締め上げた。 「うぐっ…――!」  両手はさらにキツく上に締め上げられた。あいつはそんな俺を上から見上げながらニヤリと笑った。 「いいですね、足掻けば足掻くほどピンでとめられた蝶みたいに素敵です」 「何をバカな事を…――! お前は一体、誰だ!? 俺の知っているアイツはこんな奴じゃない……!」  阿川に向かってそう言い放った。すると、あいつは再び表情を変えた。 「何を言っているんですか? これが本当の俺です。俺は貴方の前で仮面をつけてただけです。でもこうなると、もうそんなことはどうでもいいですね――」 「なっ、なに……!?」 「貴方が俺の気持ちを煽ったんですから、責任とって下さいよ。俺はずっとこの気持ちを押し殺して貴方に接してたんですから、それなりに責任をとってもらわないと困りますよ」 「せっ、責任だと!? 何故、俺がお前に…――!」  カッとなって言い返すと、あいつはいきなり下半身に手を置いてきた。ズボンの上から触られると、体がビクッと反応した。 「葛城さんはここも感じやすいんですね。 ホラ、自分でもわかります? こんなに堅くなって、なんだか厭らしいですね…――」 「やっ、やめ…! やめろ阿川! くぅ…!」  あいつはズボンの上に手を置くと、そのまま上下に触ってきた。その快感は今まで感じた事もないくらいのスリルと快感の連鎖だった。上下に触られると口からヨダレが流れた。よりによってそれを同じ男に引き出されている。それもコイツに。その屈辱と紙一重の快感に流されようとしていた。 「ぁっ…! やめ…! 阿川っ…! そこ…やめっ…! んんっ…――!」  あいつは俺の下半身をズボンの上から上下に擦って快感を与え続けた。その度に俺は、わけもわからずに体を捩らせては瞳から涙を流した。 「どうですか葛城さん、そんな声をだしてヨガって。これが気持ちいいですか? あのメス犬は貴方をここまで、気持ち良くさせてあげましたか?」 「っあ……!」 「違いますよね。貴方は今、俺に感じてるんですよ。ほら、ここをこうして貴方をね…――」 「ああっつ!!」  あいつはさらに激しく、手を上下に揺すった。その快感に口からヨダレを垂らすと、首を横に振って俺は悶えた。

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