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理性の崩壊。

「やっ、やめろっ…! 撮るなっ……! こんな姿を撮るな! 阿川、やめろっつ!!」  怒鳴るとあいつは俺を無視して、写メを撮り続けた。その支配と屈辱感はさらに俺の中で高まった。 「本当に厭らしいですね。両手を拘束されて、両脚を無理やり開かされて曝けだした貴方の姿は厭らしくて堪りません。これがあの高飛車で傲慢な貴方だと思うと俺はゾクゾクします」 「くっ…――!」 「ホラ、もっと撮らせて下さい。高貴な貴方が淫乱に成り下がった姿をね?」 「ふざけるなっつ!!」  その言葉に再び頭がカッとなると感情を剥き出したまま奴に言い返した。するとあいつは笑いながら俺の両脚に写メを向けてきた。 「なっ、や、やめろ…! そんなところ撮るな!!」 「葛城さんのここが一番良い眺めです。両脚を閉じてもその奥は隠せませんよ。ホラ、俺に見せて下さい」 「や、やめっ…――!」  阿川は耳元で厭らしい声でそう言ってきた。俺は、その声に身体中が熱くなっていくのを感じた。閉じた両脚を無理やり開かされ、あいつは俺のアソコを写メで撮った。カシャカシャっとシャッターの音が切られる度に体の奥はウズくように熱く火照った――。 「っ……! んっっ…! くっ…!!」  シャッターを切る音に自分の意思とは関係なく体は無意識に反応した。あいつに自分の姿を撮られていると思うと体は熱くなる一方だった。それに、あいつの絡みつくような視線が俺の頭を一層おかしくさせた。まるで視姦だ。舐めるようにジッくりと見つめるあの目に次第に快感さえ感じてきた。そして気がついたら体をクネクネと捩らせて、あいつの前で乱れた吐息と声を出していた。 「っ…! みっ、みるな…! 俺をっ…! うっ――!」  その瞬間、自分の体はその視線に耐えられなくなると無意識にあいつの前でイった。 「ああああああっつ!!」  あいつの目の前でイクと頭の中は真っ白くなった。 「ふっ、すごいですねぇ…。葛城さん、前を触ってもいないのに一人でイったんですか?」 「っう……!」 「――困った人だ。とんだ淫乱ですね、貴方みたいな淫乱な人は今までみたことがないですよ。さっきからイキまくりじゃないですか?」 「くっ…!!」  アイツの目の前でイクと、俺は涙が溢れて止まらなかった。それは自分にとって屈辱的だった。一度狂い始めた歯車は少しづつ精神と身体を蝕んだ。あいつの支配は自分の知らない自分を次々に暴かれる。そして、俺はあいつの前で淫らな姿を曝け出すオモチャのようだった。一度歯車が狂うともうそれは止まらないでいた。 「それにしてもすごいですねぇ。一人でイクなんて、それも触ってもいないのにイクなんて素質あるんじゃないんですか?」 「ぅぅっ……」  遠退く意識に体の力さえ入らなくなってきた。だらしない格好をさらけ出して、あいつの目の前で項垂れて返事をした。喋ろうとしても口からせヨダレが出てくる。瞼は重くトロンとしていた。ただ快感だけが、俺の体を熱くさせていた。その刹那に体の奥は、火がついたようにさらに熱く火照ってウズいた。 「ふふっ、貴方は本当困った人だ。そんな淫乱な姿は誰にも見せれないですね。そんな貴方の淫らな姿を見ていいのは俺だけです。だれにも見せたくないです。ねえ、葛城さん…――?」 「っぅ……」  アイツは絡み付くような支配を見せてくると、俺の全身をカメラにおさめてシャッターを切った。その音にすら、体はビクッと反応した。

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