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化身―カフカ―

「ふふふっ、やっと素直になってくれましたね。では貴方の口でイカせてもらいましょうか?」 「くっ…――!」  アイツはそう言うと目の前に近づけた。こんな近くで同性のモノを見るのは初めてだった。それは不思議な感覚といけない事をしているような妙な感じがしてきた。 禁断の扉を開けた先にあるのはきっと自分の中に隠されている|性《サガ》だ。それは、俺をどう変えるのか、アイツはその先を教えようとしていた。 「さあ、どうぞ――」  太くて大きい形。それは俺よりも立派だった。それを目の前に体が熱くなった。これが今から自分の口の中に入ると思うとゾクゾクした。こんなものを口に咥えられるのか、それさえも未知の領域だ。俺は女は抱くが、男に抱かれるとは夢にも思わなかった。それがある日突然、自分の身に起きるとは予想外だ。俺の中の全てが軋み始めた――。 「さあ、貴方のその口でイカせて下さい」 「っ……!」 「葛城さん、いいんですか?」 「クソッ! ちくしょう…――!」  屈辱感に支配されながらもあいつのを口で咥えた。大きく口を開くと僅かに震えた。それをあいつは笑いながら見ていた。その視線に自分の体は熱くなった。 「ンッ…っぅ…――!」  口の中に入れた瞬間、数秒は我慢できた。だが、体はそれを拒絶した。精神的に辛くて堪らなくなると、あいつのを咥えている途中で口から離して噎せた。 「うっ…! ゲホゲホっ…!!」  したは良いが苦しくて息ができない。それどころかまともに出来るような状態じゃなかった。ただ、俺の精神はこの不条理な現実に限界を感じていた。辛くて噎せるとアイツは上から見下ろして呟いた。 「――ああ、やっぱり駄目か。ノンケの男に、こんな事を強要しても初めから上手くいきませんねぇ。どうしたらいいでしょうか?」  阿川は一人そう呟くとブツブツと独り言を呟いた。 「葛城さん、駄目じゃないですか? ちゃんと咥えて下さい。ほら、こうやってちゃんとです」 「っ…! ぅぐっ! ンン…――!」  あいつに再び強要されると、体を震わせながら口に入れた。だが、やはり数秒で噎せてしまう。その繰り返しだった。辛くて堪らなくて涙した。するとあいつが俺の頭をいきなり両手で掴んで、喉の奥まで突っ込んできた。その瞬間、今まで以上の辛さが身にふりかかった。

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