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この気持ちを言葉にするなら……。
「葛城さん……。その、俺のせいで苦しい思いさせてすみません。頭の中がグチャグチャになっちゃったんですよね…――?」
「っぅ…くっ……!」
頭に手を置くと優しく撫でてきた。色々な感情が胸の中に押し寄せると、涙を堪えるのが精一杯だった。
「全部全部、お前のせいだ! お前が俺にあんなことさえしなければ! お前が俺に好きなんて言わなければ…――!」
泣きながら話すと肩を小刻みに震わせた。阿川は、そんな彼の話を傍で黙って聞いた。
「ごめんなさい葛城さん。でも、ちょっとだけ嬉しいです。だってそれって、俺のこと少しだけでも考えてくれたんですよね……?」
その言葉にハッとなると唖然となった。
俺がコイツのことを…――?
俺が阿川を……?
俺が…――。
アイツの顔を見つめると言葉を失って戸惑った。
俺が阿川を…――。
戸惑った顔でアイツの瞳を真っ直ぐ見つめると、自分の唇を噛んだ。
「クソッ、なんでこんな…! 全部お前のせいだ! 阿川お前がいけない! お前のせいで俺はこの会社を辞める決意したのに何でこうなるんだっ!? なんでお前が俺よりさきに退職届けを出しているんだ!? お前のせいで何もかもぶち壊しじゃないか! それに何で、俺の仕事をお前が勝手に片付けてるんだ!? ちゃんと全部わかるように説明しろ…――!」
そう言って話すとアイツの胸を拳で叩いた。
「葛城さん。その、怒らないで聞いてくれますか? ホントは俺も怖かったんです…――。貴方に酷いことしたのは自分でもよくわかってます。最低な奴だって自覚してます……。だから葛城さんがあのあと会社にこれなかったのも俺のせいだとずっと思ってました。それに貴方が来ても、俺がここにいるから居づらいのもわかってました。だからせめてもう一度、貴方の顔を見れたら辞めようと思ったんです」
「ッ…!!」
「勝手な奴でごめんなさい。でも貴方に出来ることは何かを考えた時にそれしか思いつかなかったんです。それに俺は、自分のせいで貴方にここを辞めて欲しくなかった……。多分これは俺の自分勝手なエゴなんですけど、でも葛城さんに辞めて欲しくないと思ったのは本当です…――!」
「阿川、お前…――」
「――って、退職した奴が今さら何言ってるんだって感じなんですけどね……。ああ、その事なら心配は要りません。俺ならすぐに他の所でも、やって行けそうですし……!」
その言葉に呆然となると唖然と立ち尽くした。
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