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その時、彼は――(阿川side)
――今頃、葛城さん何してるんだろ?
やっぱり今日も来なかった。
明日は来るかな?
葛城さん、まだ俺のこと怒ってるかな……?
何だか凄く辛い。自分のせいだと解ってるけど、やっぱり辛い。嘘でもいいから彼に会いたい。そう思ったら今度は胸がギュッとなって、切なくなった。
「…ハァ。やっぱりもうダメなのかなぁ…――」
そこで弱気になると、飲みかけのコーヒーカップをゴミ箱の中に捨てた。そして、オフィスの窓辺に張り付くと、外からみえるビルの風景を見ながら深い溜め息をついた。
俺が今見ている気色を彼も今頃、どこかで見ているのだろうか。気がついたら俺の頭の中は、葛城さんの事で一杯になっていた。何でもいい。嘘でもいいから彼に会いたいよ…――。
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