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短編2〜内緒のコレクション〜
休日の日に、今日は珍しく昼間まで寝た。ベッドで目を覚ますと隣に彼は居なかった。寝ぼけながら大きなアクビをすると、頭をかきながらベッドから出た。そして、シャワーを浴びてサッパリすると、ラフな服装に着替えた。
「おはようございます、葛城さん!」
リビングの扉を開けて元気に挨拶をした。彼は机の前でパソコンで文字を打ちながら、休日の日に仕事をしていた。
「あれ? 葛城さん休日の日なのに仕事ですか?」
「ああ、おはよう。やっと起きたかこの寝坊助。もう12時過ぎてるぞ? 飯は?」
「食べます♪ お腹ペコペコです」
「そうか、じゃあコレ終わらすから待ってろよ」
「は~い!」
葛城さんは机の前で真剣な表情で仕事をしていた。ソファーに座ると彼の事をジッと見つめた。
「葛城さん仕事のし過ぎは体に毒ですよ。休日くらいはゆっくり休んでください」
「お前と違って仕事の出来が悪くてすまんな」
「も~。またそうやってヒネくれる」
「誰がヒネくれてるだ!? 誰が!」
「アハハッ、剥きになっちゃって可愛いな」
「笑うな…――!」
そこで話しかけると悪戯に笑った。葛城さんは、「フン!」と言って黙ったままパソコンに集中した。ちょっとからかっただけなのに剥きになって、やっぱ可愛いな。それにパソコンに向き合ってる彼の真剣な眼差しとか注るよな。それにスーツ着てビシッと決めてる彼もいいけど、ラフな格好の普段着姿とかも何気に萌えるな。
――ああ、後ろから抱き締めたい。
彼を見ながら不意に顔がニヤケた。葛城さんは俺の視線に気づくと、そこで仕事の作業を切り上げた。
「お前、コーヒー飲むか?」
「ええ…! 頂きます!」
「わかった。今コーヒー淹れてやるよ」
「ありがとうございます…――!」
葛城さんは椅子から立ち上がるとテーブルを離れてキッチンでコーヒーを淹れに行った。そして暫くするとキッチンから戻ってきてコーヒーが入ったカップを手渡してきた。
「ほら作ってやったぞ。俺に感謝するんだな。ああ、そうだ。お前何食べたい?」
俺の隣に座るとコーヒーを飲みながら聞いてきた。
「そうですね、簡単なものでもいいですよ?」
「簡単なもの?」
「サンドイッチとか、チャーハンとかもいいですね。あとラーメンとかも! 一層、お昼は外食とかもいいですね!」
「ふーん。外食か、却下だな。外食なんか体に悪い。俺が作ってやるからそれにしろ」
「じゃあ、何を?」
「そうだなぁ。お昼はラーメンにでもするか? 一昨日スーパーでラーメンの材料を買ってきたからそれがまだ冷蔵庫にあるはず。醤油と味噌どっちにする?」
「いいですねラーメン! じゃあ俺は醤油で!」
「チッ、醤油か。どうせなら味噌にしろ」
「葛城さ~ん! そこは年下に譲るもんですよ?」
「お前なぁ。なんでも年上が年下に優しいと思ったら大間違いだぞ。いいからお前は味噌にしろ、味噌味に決定!」
「わ~。家庭内パワハラだ~w」
「誰がパワハラだ誰が! 俺様が作ってやるんだから感謝しろ!」
「ははーっ! 葛城様、俺の為にわざわざ有難うございます! ありがたく頂戴致します!」
「お前、俺のことバカにしてるのか?」
「してませんよ。なんだか子供っぽい所もあるんだなって、ちょっと思いました」
「それで?」
「可愛いなって…――」
目の前に居る彼が急に可愛いく思えると、後ろから肩に腕を回して然り気無くキスしようとした。すると彼は顔を赤くしながら「バカか…!」と言って、突き放した。
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