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愛を確かめたい!

 こんな時でも相変わらず仕事熱心な葛城さん。でもそこが可愛い。そんな風な態度をとられたら意地悪したくなるじゃないか。  会議室の扉を開けて外に出ようとした時、後ろからトンと手をついて扉を閉めた。後ろから扉を閉められると葛城さんは前で黙っていた。そんな彼に甘えた声で耳元に囁いた。 「――行かないで。仕事のことより、俺のことだけを見て下さい……」 「ッ……!」 「葛城さん……。ちょっとだけ、貴方に触ってもいいですか…――?」 「阿川、今じゃなきゃダメなのか……?」 「夜まで何て待てませんよ。葛城さんに今すぐ、触りたいです……」 「…わかった。好きにしろ。だけど少しだけだぞ?」  そう言って葛城さんは俺の前で赤くなった。耳まで真っ赤になっている彼を見ていると、何だか愛しく感じる。そして、それと同時に彼を愛したいと言う気持ちが溢れてきた。

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