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この家に来るようになった最初の頃は、寝室の広すぎるベッドに所在無い感じがして、朝起きるといつも隅っこで小さく丸まって寝ていた。 東城に一度「寒いのか?空調身体に合わない?」と聞かれ、抱き寄せられたくらいだ。 慣れないベッドはホテルのようで苦手だ。 彼の愛撫に身体がほぐされるのにも時間がかかる。最近はやっとゆっくりと横たわって自分から身体を開くことができるようになった。 部屋の灯りは落ち、暗い。その中で広瀬は息を抑えていた。 東城がしつこくしつこく彼の胸を舐めてくるのだ。一方の乳首の先端を指でつまみあげ、指の間でこすりあわせてくる。もう一方は、舌で舐めながらときどき甘噛みしてくる。 息をするだけで、喉の奥から声がでてしまいそうだった。どこでどうつながっているかわからないが、乳首から背中、腰がじわじわと熱くなってくる。 もっと強い刺激が欲しいが、言葉にはできない。 広瀬がそういうことを言うのを恥ずかしがると知っていて、わざと東城はじらしているのだ。 こういうのは先ほど東城が言っていたその手の趣味に近い行為なのではないだろうか、と広瀬は思う。東城は意図的に広瀬が耐えられないようなことをしてくるのだ。 そう思うと自然と自分の手が動いた。広瀬は、自分の性器に手をそえると動かした。 「うっ、くぅ、」声もでてくる。 「がまんできない?」と東城が耳元でささやいてくる。「広瀬、最初の頃より感じやすくなってるな。胸いじるだけで、こんなになるなんて」そういいながら、動く広瀬の手の動きをとめてきた。 広瀬は頭を軽く振る。このままではつらいばかりだ。 「自分でしたい?自慰するのみせてくれる?灯りつけていい?」と意地の悪いことをいう。広瀬の手は動かさないように固定されている。 ゆっくりとなでるように性器を東城の手が上下する。そうしながら、後ろに手をまわすとそっと後孔に指をめぐらせた。 「んっ、、」と広瀬は身体をよじった。 「いたい?」 首を横に振る。本当は指が、その先にはもっと熱いものが欲しいのだ。 いつのまどこからだしてきたのかジェルが彼の手から注がれる。ゆっくりと指が差し入れられてくる。彼の中をよく知っていて危なげない手つきだ。もう一方の手が会陰をそっと押してくる。このあたりの快楽は全部つながっていて、一箇所触れられるとピリピリとした刺激が全身に回ってくる。 「あ、」声がでた。刺激はゆるく、時々強く続いていく。声を出すと強くしてくれる。指で後孔が開かれていく。 「もう、」そういいながら肩にかけた手の中指で東城を数回たたいた。彼がそれに気づいたかどうか。 「どうやって?」 広瀬は首を横に振った。 「ねだってみせて」とさらに言ってくる。「声だしていってみて。どうやってほしいか」 広瀬は身体をねじる。刺激がほしい。こんなゆっくりじゃない。もっと強いものが。わずかに東城の手の角度がかわると、意識がそれをおいかけ、息がつまる。 「言ってごらん」と彼の声がささやく。拒否できない誘惑だ。 広瀬は吐息のあいまに言った。「入れて、もう」 「え?」聞き返された。耳を口の近くに寄せてくる。聞こえなかったはずはないのに。 「入れてください」と広瀬は言った。ついでに彼の耳を噛んだ。「早く」してくれないと、さらに強く噛んでしまいそうだ。 彼は、広瀬の唇を舐めた。「俺の耳って美味いの?」と聞いてきた。 そして、足を広げさせて上にもちあげると、自分の欲望をためらうことなく入れてきた。 「ああ!」それは、期待以上の快感だった。身体中が自分の中に分け入り入り込むその熱い太いモノを追い求める。それは、広瀬の中の気持ちのいいところを何度も何度もこすってくれる。はしたない声を抑えることができなくなる。 腕を東城の首に回ししがみついた。ガツガツと自分を求める彼が愛おしかった。唇をかみしめて耐えていると、東城がまた唇をベロッと舐めてきた。 「すごくいいよ」とため息のように言われた。「なんか言って」 広瀬はかぶりを振った。それどころではない。声はずっとあがっている。意味はないただの音だけど。これだけで通じるといいのに。 自分の欲望がはねて、東城の腹筋にあたっている。彼が動きながら、そっとそれにふれた。中と外からの刺激に、広瀬は泣きそうになる。 「して欲しいこと言ってみて。声聞きたい」と言われる。 息を何度も吸いながら「もっと、強くして、」と広瀬は言った。頭が白くなる。「東城さんの手で、強くこすって。あっ、あっ、」自分からも腰を動かすと東城が手に力をいれて、強めにしてくれた。 感覚が広がっていたため、刺激が強い。さらに、後ろの袋もやんわりとなでてもらえる。 「あ、そこも、もっと、」もう、言葉をとめることができなかった。東城は広瀬の言葉どおりにしてくれる。「動かして、なでて」頭に浮かぶ言葉は全て吐き出してしまう。「ああ、東城さん、もっと」 その間にも自分の中を東城が動き、好きにしてくる。頭の中には、彼のことしかない。自分を攻めて愛してくれる。 高められて、やっと達することがゆるされた。東城の手に白濁が流れおちる。彼もまた広瀬の中で達した。東城の歯で軽く耳を噛まれた。さっき広瀬が噛んだのと同じ場所だった。 広瀬は震えながら息をついた。

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