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東城の手がうつぶせになった広瀬の背中を優しくなでてくる。
髪に肩に唇をおとしてくれた。
そっと横向きにされ、広瀬のバーボンの水割りを彼が少し口に含み、キスをしながら注いできた。
熱くて冷たい液体が喉に染み込んでくる。広瀬は東城の舌をしゃぶった。アルコールの香りがする。もっと飲んで酔ってしまいたい。肉厚の舌やすこし乾いた唇を何度も吸う。
東城は広瀬の好きにさせていたが、唇をじっくり舐めて味わっていたら目を開けてくっと手をつかまれて離された。「刺激強すぎ」と言われる。そして、首に顔をうずめ、首から耳の裏まで舐められた。
「きれいだ」と東城が耳元にささやいてきた。「ちょっと見ないと前よりきれいなってるからあせる」
なんでこういう歯が浮くようなことを言うんだろうか、この人は、と広瀬は思う。広瀬がそういわれて喜ぶと思っているのだろうか。息を吐くようにこんなことをいうから信用をなくすのだ。
だが、本人はいたって真面目な口調だ。
「本当は、お前が今日うちにこなかったら迎えにいこうと思ってたんだ。でも、その前にちょっと休もうと思ってたら寝てて、気がついたらお前が帰ってきてた」
正確には広瀬が起こしたのだがそれは訂正しなかった。
「お前、相変わらず連絡しても返事してくれないからなあ。もう慣れたけど」とつぶやいていた。全然慣れたという口調ではなかった。
広瀬は東城の上に乗りかかり、顔を寄せてもう一度彼の舌をしゃぶった。嘘ばかり言うこの舌を噛み切ってしまおうか。だけど、そんなことをしたら、楽しみも減ってしまう。
東城はゆっくりを広瀬の後頭部に手をやり髪をなでた。そして、そっと顔を下の方にずらされた。広瀬は彼の意図を察して身体をすべらせた。
東城の足の間に顔をいれ、彼の欲望を口に含んだ。ためらいはない。めったにしないが嫌だと思ったことはなかった。しないのは、東城がもっぱら自分を愛撫することに熱心で、こんなふうに誘われることがないからだ。
口の中で彼の性器をしゃぶり、動かしたり舌をからめたりした。そうすると口の中も気持ちよくなる。頭の中がぼんやりしてきて、自分の腰も重くなってくる。
東城のモノは最初から硬かったが舐めるさらにそりかえった。その反応に満足してさらに舌で舐め上げる。唇をすぼませて前後させた。
東城の手が自分の髪を優しくなでてくる。耳の後ろをたどり耳の中でくるっと指を回す。その何気ないしぐさが気持ちいい。時々、余裕をなくして、手を放しぎゅっとこぶしを握っているから、うれしくなる。
先端を舌でなで、カリ首の周りをなぞっていく。繰り返しその動きを続けていると彼の身体がういた。そこで、東城は手を伸ばし広瀬はそっと身体を放された。
東城は広瀬の身体をうつぶせにし腰だけをあげさせた。既に広瀬の性器も立ち上がっている。それを彼が手でなぞって確かめた。それから舌で秘所をなめられた。
「ん」と反射神経で腰が前に動いた。
さっきまで自分の口で形を確かめていたあの舌が、自分の中に入ってこようとしている。頭の中に大きさと太さが残っていて、見えるはずもないのに目の奥にイメージが広がる。
唾液が中に外に伝い、ぐっしょりとなっていく。一緒に指をいれられた。指は中を巡ったが、時間をあまりかけず放された。
「ちょっと、もう」と言い、彼が手早くコンドームをつけて、あまりほぐしもしなかった後孔に入れてきた。
はっ、と広瀬は息を吐いた。狭い中を突き入れてこられる。ぐぐっと押され分けいれられてくる。すごい圧迫感だった。だが、驚いたことに中は蠢いて、彼を受け入れようとしていた。
「、ん、」広瀬は声をあげた。
「きつい?」と聞かれた。
広瀬は首を横に振った。
「中、動いてる」そう言われた。
確かにひくひくと東城の欲望を捉えて巻きついてしまう。
一旦入り込みだすと彼の太いものは慣れたように先に進んでくる。いや、自分の中が動いて彼を取り込もうとしているのかもしれない。腰が揺れて、彼が動くと同時にさらに奥に感じられるように中にまねきいれる。
広瀬の期待と欲望が、性器を奥へ奥へと導いていく。全部入ったときに、東城は動きをとめた。広瀬の中が蠢き小刻みに震えているのをじっくりとなじませ、味わっているようだ。
しばらく時間がたって、「口にするの上手くなってる。練習した?」声がする。余裕を取り戻したようだ。
「バカ?」
「やっぱり、練習したんだな。どうやって?飴でも舐めた?」
「小さい飴なら」と返した。
「俺以外のために練習したのか?」とかすかに笑い、少し腰を揺さぶられた。
「、あ、だめ」と広瀬は目をぎゅっととじた。
東城が背後で深く息をついた。しばらく揺さぶっていたが、再び強く突き入れられた。
「あっ、」
好きな場所を何度か衝かれ、全身が蠢く。シーツを握った。
先に触れられもせずに広瀬の方が達した。身体の力が抜けていくのはどうしようもない。強い手で腰を支えられて何度も行き来された。また、広瀬の性器も立ち上がる。今度は、手を添えてくれる。先端部分をくじられた。
そうされると痺れが広がる。身体の奥もきゅっと縮まる。それにあわせるかのように東城は自分を動かして中で爆ぜた。少し遅れて広瀬も東城の手の中に出した。
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