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107.すぐに触れたい※

面倒臭がるテオドールを何とか納得させて装備を外させる。レイヴンは自分も外していくと、危なくないように床へと避けておく。片付けもしたいところだが、テオドールをこのまま野放しにしておけば、自分の身が違う意味で更に危うくなるに違いない。 「テオ、服も脱いだら先にシャワーどうぞ。俺もすぐに入りますから」 「何だよ、一緒でも……」 「の、のぼせたら何回もできないでしょう?いいから入ってきてください!」 「ほう?今の言葉忘れねぇからな」 ニヤリと笑んだテオドールがシャワーを浴びに行くのを見送ると、レイヴンは安堵の息を漏らした。仕方なく自分もローブを脱いで畳んでソファーの上に置いておく。 中に着ている服は何の変哲もない、魔塔で支給されている白いシャツと黒のパンツだ。普段着として着る場合は被る1枚着のローブの場合もあるが、動くことが多い時は羽織るローブを着ることが多い。テオドールは自身で選んだ色のシャツなどを着ていることが多いが、レイヴンは特にこだわりもないので、支給されたものを着回していた。 シャツの革紐を解きながら、レイヴンは色々あったことを思い出す。 自分のこともそうだが、合成獣(キメラ)を作り出している厄介な者が誰なのか。 考えることだらけで疲れた頭では良い考えも浮かばない。諦めようと苦笑したところでシャワールームから声が聞こえてくる。 「おーいレイちゃん。タオルがねぇみたいだから取ってきてくれねぇか?」 「そういうのは先に準備しておいてくださいよ……今、持っていきます」 レイヴンはテオドールが適当に積んでいる洋服の山の中からタオルを見つけると、そのままシャワールームへと向かう。 「持ってきましたよ?」 レイヴンが中へと声を掛けると、テオドールがすぐに扉を開けてレイヴンの腕を掴んで引きずりこんだ。タオルを渡そうとしていたレイヴンはその腕を取られてしまって、タオルだけが床にパサリと落ちた。 「な、待って……ん…っ」 「今、脱がせてやるから」 「ん、んん……ちょ、キスしながら、脱がさないでくださ……」 「お、ほぼほぼ脱いでんのか。これ、脱がせちゃえばいいやつか」 一旦唇を離すと、レイヴンの服を捲って乱暴に頭を抜いてしまう。あまりの素早さにレイヴンが抗議することを忘れてしまうと、さらに引き寄せてパンツと下着も一気に引き下ろしてしまった。 「な、何して……ぁ、んっ……」 「レイちゃんは喘いでる声もイイよな。声がいつもより上がるしな」 「じ、自分で脱げるから、も、あ、持ち上げないで、んんっ!」 「時間短縮?」 テオドールの髪からポタポタと雫が垂れて、レイヴンの身体を濡らしていく。 レイヴンは先程からテオドールのやりたい放題に色々と言いたいことがあるのに、何か話そうとするといちいち唇を塞がれて何も言えなくなる。 「ほら、脱げたじゃねぇか。後はなんだ?身体を流すって言ってたか」 「も、ホントに、1人でできるって言って……んぁっ!」 「なぁ、レイちゃんも早くしたかったんだろ?」 「何も、言ってな……んんっ、や、なんで、またそういうこと……」 テオドールはレイヴン自身を掴んで洗うように上下に擦って刺激していた。 レイヴンは不意打ちのようにされてしまっても、少し間が開いたせいかまるで待ち望んでいたかのように身体が反応して、テオドールを喜ばせてしまう。 「も、離して……あぁぁっ」 「イイ反応。やっぱレイちゃんはこうでないと」 「そういうところが、ホント、最低……っあ、ぁ……ん」 「ったく、ほら1回出しとけ。な?」 テオドールの手の動きが激しくなると、レイヴンもすぐに熱が上がってきてしまい、テオドールの腕を強く掴んで爪を立てる。 「ぁ、ぁ、も、やぁぁ!…あぁぁぁっ!」 「嫌がりながら出しちゃうレイちゃん……いつも通りでイイわ」 「…るさい、も、誰のせい、だと……」 「俺に触られるの嫌いじゃねぇくせに」 ニヤニヤ顔のテオドールからプイと顔を背けるが、その後も全て世話をやかれて全身洗われてしまう。のぼせないように後は軽いキスだけで終わらせると、レイヴンの身体を横抱きにしてシャワールームから濡れた身体でペタペタと床を歩いていく。 「も、濡れたままで!だから、逃げないから!嫌だけど!」 「嫌って言うなよな。その割には感じてるじゃねぇか」 「それは、テオが触るから……」 「ほら、嫌いじゃねぇだろ?」 額に触れるキスは優しいのに、表情は余裕の笑みで本当に憎たらしいとレイヴンは声と共に、はぁぁぁ……と長いため息を吐く。それでも歩きながら濡れた身体をうまく魔法で乾かしていく器用さは、やはり認めざるを得ないのも悔しい。 「嫌いじゃなくても、素直に受け止められない形でするの、やめません?」 「やめねぇよ。愉しいしな。いつものツンなレイちゃんって感じで」 「俺で遊ばないでください……ん、も、キスでなかったことにしないで……」 「キスも好きだから、いいだろ?」 そう言いながら唇にキスを落とすと、レイヴンも自然と自分から唇に触れていく。暗に嫌いじゃないと行動で訴えるレイヴンに、良い子だ、とテオドールが耳元で囁く。 何度かキスを繰り返しながら、ベッドの前まで辿り着くとレイヴンをベッドに寝かせて自分もすぐにベッドへと乗り上げる。 「さあ、覚悟はできたか?」 「……できていませんけど、俺が辛いときにも一緒にいてくれたから……許します」 「そうか。じゃあ、お許しも得た訳だし思う存分堪能するか」 「堪能って……言い方……」 ため息混じりのレイヴンの言葉はすぐにテオドールの唇に奪われてしまった。

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