110 / 254

108.待ちきれなくて※

優しいキスから始まり、だんだんと深まっていく。 色々と文句を言っていたレイヴンもテオドールの欲望を受け止める、という名目で素直に応じて、唇が離れる頃には目元も赤く色づいてきた。 「ん……」 「物足りねぇか?」 「別に……そんな、ことは……」 「そうか。どうすっかなー……今ならレイちゃん何でも言うこと聞いてくれそうだしなぁ」 頬に手を添えてゆるゆると撫でると、レイヴンが擽ったそうにしながらテオドールの手に自分の頬をそっと寄せる。何度か撫でてやると、ゆっくりと目を閉じて大人しくなってしまった。 「なんだ?にゃんこか?」 「……あ、何となく……」 無意識で擦り寄ってしまって恥ずかしがるレイヴンの顔を上向きにして、もう一度優しく口付ける。 「ん……ぁ……」 「……レイ…」 「……っぁ……ふ…」 舌を突くと遠慮がちに返してくるレイヴンに気を良くしたテオドールは、手を滑らせて肌を撫でていく。レイヴンが時折身体を捩ろうとするので、逃げないようにとレイヴン自身を捕まえて手の中に収めてしまうと、鈴口を指先で丁寧に円を描くように触れていく。 「んぁ、ぁ……んんんっ!」 「ン……コッチもイイコだな」 「ふぁ、ぁ…ん、んー!……っむぅ」 テオドールは時折唇を離して会話を挟むが、レイヴンには会話をさせないようにと言葉を奪うようにより深く口付ける。その間も刺激を与え続けていると、フルフルと震えながらレイヴン自身が堪えきれなくなった涙のように、トロリとした蜜をテオドールの手に垂らしていく。 「また出そうだな……俺も1回混ぜてもらおうか」 「……え、なに……」 一旦レイヴン自身から手を離し、蜜が乗った指先をそのままレイヴンの後孔へと塗り付ける。そこは以前よりもやわやわとしてきているのか、テオドールの指先をすんなりと受け入れていく。 「ぁっ!」 「だいぶ拒まなくなってきたよなァ?俺好みに成長しててイイな」 「なに……それ…俺、そんなに慣れてきて……んぁぁ…」 「だろ?良いことじゃねぇか。可愛いよなァ」 くぷ、と沈んだ指はレイヴンが温かく迎えて、奥へ奥へと誘ってくる。レイヴンが気持ちよさそうにする場所までゆっくりと進むと、テオドールは指先で軽く壁を引っ掻いた。 「ひぁっ!」 「やっぱ、ココだよな。知ってた」 「し、知らなくて、いいのに……っ!」 「レイのことなら、何でも知っておかないとな」 愉しそうに笑い、顔を赤くしながらせめてもの抵抗で弱く睨んでいるレイヴンの目尻にキスを落とすと、本格的に内壁を刺激しようと指を増やす。 2本の指でナカを掻き回して引っ掻くと、レイヴンの腰がビクンと跳ねた。 「あぁっ!や、やめ……ひぁぁっ!そんなに、広げない、で…っ…」 「狭いところに挿入るのもいいが、優しく包み込んでくれるのもイイよなぁ」 「んな、こと……言わなくて、いい……から…ぁ…、あぁっ、あ、あ……も、指、やだぁ……っ」 「そうだな。コッチが欲しいよなぁ?」 ゆっくりと指を引き抜いて、テオドールは張り詰めた自身をまずはゆっくりと焦らすように沈めていく。入り口をゆっくりと広げられていく感覚に、レイヴンがもどかしそうに無意識で腰を揺らす。 「あ、あぁぁ……んぁ……こんな、の…逆に、無理ぃ…そこ、で止まらない、で……っ…」 「そんなに欲しいのか?」 「んっ……ぁ、ん…もどかし、いから…ぁ…もっと、テオに、きてほし……」 「……だいぶお強請り上手になったよな。いいぜ?ちゃんと感じろよ?」 テオドールはそう言って、じっくりと深く沈めていく。グ、グ、と進むごとに、レイヴンが大げさなほどに身体を跳ねさせて、両腕を伸ばしてテオドールの背中に手をかけた。 「あ、あぁ……テオが、きちゃ……あぁぁぁっ、ぁっ!」 「あぁ……コレで、全部だな。分かるか?」 「ん……分かる…俺のナカ……テオがいる、からぁ……んぁぁぁっ!」 「……ック。相変わらず、奥が好きだよなァ?反応イイからすぐ分かる」 コツ、と最奥をじっくりと叩くと、そこまで刺激は与えていないはずなのにレイヴンが過剰に反応する。動きは緩慢でも、充足感に満たされているのか、テオドールの名前を何度も呼んで、ナカでも外でもギュウと締め付ける。 「まだ、動いてねぇのに……そんなに、待ちきれなかったのか?」 「ん、……んん…テオ、好き……好きぃ……」 「……っ…おま…なんつー誘い方を……誰だ、教えたのは」 レイヴンは猫撫で声でテオドールの名前を呼んで、ふわりと笑いかける。その微笑はテオドールを刺激するのには十分で、参ったと言わんばかりに頭を掻くとレイヴンの両足を広げて自身を一度ギリギリまで引き抜き、乾いた音を立ててレイヴンのナカへとまた深く沈める。 「んぁぁぁっ!」 「ちょっと、本気で行くぞ」 宣言して唇を塞ぐと、貪るようにテオドールが腰を打ち付け始める。レイヴンはされるがままに、テオドールの背中に爪を立てて、くぐもった嬌声を何度も漏らす。 「んんんっ!んっ、んんー!」 「……あぁ、気持ちイイか?」 「んぁ、ぁ、あぁぁぁ……んぅ……ん、んー…ぁふ…」 レイヴンは一筋の涙を流して、声を出せない代わりに小さく頷く。それを見たテオドールは満足げに口元に笑みを浮かべると、何度も音を立て、激しく注挿を続けていく。 「ぁんっ、んんっ……あぁっ!……っふぅ」 「レイ、レイ――」 テオドールもレイヴンの名を呼んで、最後に強く自身を最奥に叩きつけると欲望を解き放つ。無遠慮な白濁はナカを満たしていき、レイヴンも共に果てて身体を震わせた。

ともだちにシェアしよう!