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122.小部屋の中で※

レイヴンが目を覚ますと部屋の明かりは消えていて、自分はベッドに寝かされていた。 寝起きはぼんやりとしていたが、自分が調べ物の途中で寝てしまったことを思い出して慌てて身体を起こす。 「寝落ちとか……テオは……?」 ベッドから下りて室内を軽く見回すと、部屋の奥の方から明かりが漏れていることに気づく。静かに近づいて扉を少しだけ開くと、小部屋の中でテオドールが本を片手に何かを作成しているのが見えた。声をかけようか躊躇うと、テオドールが気配に気づいて先に振り向く。 「起きたのか。どうした?俺がいなくて寂しかったか?」 「そういう訳ではないですけど。ただ、眠ってしまって申し訳ないなと思って。読んでいるうちに危ないとは思っていましたけど、本当に寝落ちしていたなんて……」 「別に、これは自主的にしてたことだしな。決められたことは終わってるんだし、気にすることはねぇだろ。そんなに気にするってんなら、俺のこと構ってくれてもいいけどな」 「なんですか、それ……」 テオドールが一旦手を止めてレイヴンの方を見ると、レイヴンが遠慮がちに室内に入ってくる。その様子を見て可笑しそうにテオドールがレイヴンの手を取って引き寄せる。 「なぁ、眠ったなら元気になっただろ?」 「そうなんですけど……テオ、俺、今とても嫌な予感が……」 ニィ、と笑うと、テオドールはレイヴンの顎を掴んで口付ける。レイヴンも予感はしていたのだが、唇が重なると大人しく従って受け止める。何度も触れる度に力が抜けてきて、テオドールに縋り付くように服をギュッと掴む。 「……ん、…っ……」 「また素直じゃねぇか」 「……どちらにしても、しようとしてますよね?」 「まぁな」 近距離で会話をかわして、そのまま覆いかぶさるようにまた唇を塞いでしまう。 舌まで絡め取られるとレイヴンが身体を支えられなくなってきてしまい、テオドールが片腕で抱きとめて、ゆっくりと味わう。 「はぁ……っ、ん……」 「イイ感じじゃねぇか」 「まさか、ここで……?」 「刺激的だろ?」 レイヴンが顔を赤くしながら文句を言おうとしたが、また唇を塞がれる。そのまま片手で服を脱がされそうになり、何とか抵抗しようとレイヴンも手を伸ばすが、その度に舌を強く吸われて頭がぼんやりとしてくる。執拗なキスに心も奪われて、何も考えられなくなっていく。テオドールは唇をペロと一舐めしてから、漸くレイヴンを開放する。 「よしよし、イイコだ。今、脱がしてやるから」 「……ほ、本気……です、か?」 テオドールは愉しげに笑んで、問答無用でレイヴンの服を剥がしていく。やんわりとだが抵抗を続けるレイヴンを宥めるようにキスの雨を降らせながら、素早く自身を取り出してレイヴンを向かい合せの形で抱きかかえる。そのまま壁にレイヴンを寄りかからせ、問答無用でナカへと自身をねじ込ませた。 「ぁ、あぁぁっ!」 「相変わらず、イイ声だな」 挿入ってくるとは分かっていても、圧迫感から逃れようと喉を反らす。喉元に吸い付いて跡を付けてから、まだ苦しそうにしているレイヴンにまたキスをして、感じる箇所を重点的に攻めていく。

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