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171.自分から甘えたい弟子※

 何度か軽く唇を触れ合わせたあと、俺からそろそろと舌先でレイヴンの唇を突く。  レイヴンはふっと笑うような吐息を漏らし、俺を誘い込むように唇を開いてくる。  熱を持った舌で答えるように、口内を擽るように蠢めかせる。 「ふ……っぁ、ん、ぅ……」 「気持ち良いか?」 「ふぁ、あ…はい……」  レイヴンは素直に俺を受け入れて、はいと返事をしてきた。  耳元でイイコだと囁いて、フッと笑う。  指先で一緒に耳も擽りながら、ピチャリと少し音を立てて舌を絡ませ合う。 「ん、ぁあ……やぁ、くすぐ……ひゃっ」 「あぁ、耳も弱いよな?」  耳の輪郭に指を這わせながら耳の中も擽ると、触れる度にレイヴンが俺にぎゅうとしがみついてきた。 「熱烈だなァ」 「なに、それぇ……も、耳はいいからぁ……」 「次は、どうして欲しいんだ?」 「もっと、もっと触ってほし……」  レイヴンは一旦両腕をするりと落とすと、赤みを帯びた顔で俺の手を取り身体へ触れさせてくる。  俺を誘惑するなんて、やるじゃねぇか。  満足げに笑み、レイヴンの服を脱がせながら身体に直接触れていく。  レイヴンはパサリとベッドの脇に服が一枚一枚落とされていくのも気にした様子もなく、俺が与える刺激に夢中になっていくのが分かる。  俺とキスを続けながら俺の服に手をかけて胸元のボタンを外し、逆に服を脱がせようと健気に指を動かし始めた。 「んぅ……はぁっ……力、はいんない……」 「俺の服も脱がせてくれるんだろう?」 「今、やってる……ぁんっ!」  俺はレイヴンの邪魔をするように胸の飾りを弄り、時折キュッっと抓る。  レイヴンを弄る度に、ボタンを外そうとする手が止まってしまう。  敏感に反応し、甘い声を漏らしながら俺の耳を満足させる。 「ふぁっ、あぁっ!」 「さっきから、自分だけやたらと気持ちよさそうじゃねぇか。俺のことも気持ちよくしてくれるんじゃねぇの?」 「だって、テオが先に、触る……からぁっ……」  レイヴンがジッと俺を睨む瞳は潤んでいて、文句を紡ぎ出す唇はしっとりと濡れている。  形だけの訴えは、早く先に進みたいと焦れているようにしか見えない。 「手伝ってやるから、もっと愉しもうぜ?」  レイヴンの手を取って俺の服を脱がせる手伝いをしながら、目尻や頬にキスを落とす。  俺の上半身が顕わになると、レイヴンが俺の足を跨いで座り俺と向き合う形になる。 「はぁっ……テオ、も……気持ち、いい…?」 「イイ感じだ。ほら、分かるだろ?」  俺の昂りを押し当ててやると、服の下で熱を持っているのがレイヴンにも伝わったみたいだ。  レイヴンは恥ずかしそうにしながら自ら服を全て脱いで一糸まとわぬ姿になると、俺の下半身にも手を伸ばしてくる。  レイヴンのナカに入ろうと待ちわびている欲望を引きずり出してきた。 「あ……」 「いつでも挿入られるなァ?」 「ん……俺、は……」  レイヴンはそっと自分の窄みへと手を伸ばして、指先で擽りはじめた。  おお? 自らほぐしてくれるってか。  腰を浮かせて恐る恐る指先をナカへと沈めていき、ゆっくりと出し入れを始めていく。 「自ら、俺の前で見せてくれるって?」 「んんっ、ぁ、…っ、うまくできないけど。やってみるから。あんま、見ないでくださ……」  レイヴンはなれない手付きで指を遠慮がちに動かしているが、刺激が足りないみたいだ。  熱い息だけが空回りして、快楽と羞恥の間で揺れる表情を見せつけてくる。  微笑ましげに眺めるのもいいが、手伝ってやるか。  戸惑っているレイヴンの手を取って、一緒に動かしていく。

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