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200.可愛い子には甘い一時を※

   互いの舌を絡め合わせていくと、自然とテオドールの気分も高揚してくる。  先に舌を吸い上げると、レイヴンからくぐもった声が漏れた。 「んんっ……んぁ……」  テオドールも優しくしているつもりだが、レイヴンはキスが深くなるとすぐにふにゃっとしてくるから分かりやすい。  チュッと口付けてから、唇のすぐ近くで話しかける。   「お望みのキスはどうだ?」 「ぁ……ぼうっとします……」 「まあ、見りゃ分かるけどな。可愛いレイちゃんを見てると、俺もイイ感じだ」  手のひらでレイヴンの頬を撫でると、ぼんやりしていたはずなのにふわりと笑んでテオドールを見つめてきた。  さっきキスだけで我慢できると言ったものの、前言撤回したくなってしまう。  美人は何をしても得しかないと、心の中で毒づく。 「テオ……」 「ん?」 「俺、優しいテオも……いつものテオも……好きですよ」  テオドールはレイヴンの笑顔の破壊力にやられそうになる。  レイヴンはどんな顔をしているか分かっているのだろうか?  いつもはツンツンしている癖に、可愛さ全開でテオドールの忍耐力を試してくる。  テオドールにとっては可愛らしさの反面、今は苦行のような辛さもある気がした。 「……ったく。わざとか無意識か知らねぇが。今日は約束したから甘々で行くぞ」 「はい。俺も素直に……甘えます」  レイヴンは可愛らしく微笑みながら、力を抜いてテオドールに主導権を預けてくる。  もう一度唇にキスを落としてから耳を甘噛みし、左の手のひらを滑らせてレイヴンの首を撫ぜた。  そのまま首筋に唇を流していき、跡を残すようにキツめに吸い上げると小さな声と共に熱い吐息が漏れだす。 「っ、はぁ……」  レイヴンは薄く瞳を開きながら、テオドールの動きを追っているようだ。  ペロリと首筋を舐めてから、胸元に唇を移してまずは優しく突起を吸う。  左手は空いている突起を優しく撫でて、反応が現れるまで同じ動きを続けていく。 「んやぁ、あ……」 「ん、痛くはないだろ?」  レイヴンを虐めすぎない程度に刺激してから、ゆっくりと唇と手を離す。  左手は脇から腰を撫ぜて、ゆるりと身体の線を愉しむ。  少しずつ汗ばんでくるレイヴンの肌は、手のひらに丁度良い具合で吸い付いてくる。 「ひゃっ」 「撫で心地がイイんだよなァ。もう少し触れてもいいか?」 「んんっ……いい、ですけどやっぱりくすぐった……いぃ」  テオドールはちゅっとお腹にも唇を触れさせて、左と右で身体を刺激しすぎない程度にゆるゆると撫でまわす。  触れる度にピクピクと身体が震え、レイヴン自身もふるりと揺れてテオドールの目を愉しませる。 「可愛いな。レイヴンは素直でイイコだ。ちゃあんと反応してる」 「優しくても、テオだからっ……触れられたら感じちゃ……」 「恥ずかしがらなくてもいい。俺もレイだから反応しちまうし。というか、さっきからビンビンだな」  フッと笑ってテオドールの下半身を押し付けると、レイヴンがビクっと驚く。  服越しでも、テオドールのモノが張り詰めているのは理解したようだ。  レイヴンはすでに一糸纏わぬ姿だが、テオドールはまだ下半身の服を着たままだ。   「どうするか……一旦コッチも絡ませ合うか」 「こっちって……ふぇ?」  テオドールも自身を露出させると、少し身体を離して改めてレイヴンへ覆いかぶさる。  レイヴン自身とテオドールのモノを擦り合わせながら、事の成り行きを不思議そうに見ていたレイヴンの唇を奪う。 「んむ……っぁ」  次第に粘着質な音が聞こえてきて、屹立の滑りを良くしてくれるのが分かる。  上手いこと重ね合わせないと、欲望はどこかへいってしまうかもしれない。  テオドールにとっても体勢を整えながら、激しくしすぎないようにするのはなかなか気を遣う行為だ。  甘く、優しく。昂らせながらも、丁寧に。  レイヴンを囲い込むように舌を何度も啄んでいると、レイヴンの身体が小刻みに震え始めた。

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