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『ん、ミリィ…もっと…欲しっ…!』
時雨が仰向けになった俺の胸に手をつき腰を振っている。
全身汗をかいているのか、、艶かしく肌が光っており、
足の間では隆起したものから汁が滴り落ちている…。
エロい…。我慢できず腰を振ろうとしたら、頭ががくがくとゆさぶられた、違う俺がふりたいのは頭じゃない、腰だ。
「おーい!おきろー…!!」
ガクガクと頭が…ガクガク…………。
「ミーリー!母ちゃん帰ってきたからぁ!!」
はっと目を開くと、そこには同級生のいやらしい姿はなく、灰色のスウェットにボサボサ頭の男が俺の両肩を掴み、身体を揺らしていた。ガクガクの正体はこれだったか…。
「っ?俺、寝てた、のか……悪ぃ…あ、時雨、熱大丈夫か?」
「たくさん寝たし、薬が効いたのかしらねーけど、元気なった!」
「そうか」
なぜか力こぶを出すようなポーズを取った、時雨にホッと肩を撫で下ろし、あぐらをかいたまま寝てしまった身体をゆっくりとストレッチする様に伸ばした。
「あー…身体痛…」
立ち上がり、首を回すとポキポキと音が鳴った。
「っと、家の人帰ってきてんだよな?そしたら、俺帰るな」
「色々、さんきゅー」
「元辿ったら俺のせいだし、礼なんか言われる筋合いはねえよ」
「すじあい…?」
「気にすんなってこと、…万が一また痛くなったらこれ、塗ってみてくれ」
引き戸の向こうに時雨の母親のことを気にして最後は小声で付け足した。
「…りょ」
流石の時雨も声を荒立てるようなことはせず、俺の手から軟膏の入ったチューブを手に取るとスウェットのポケットへと突っ込んだ。
「…熱上がるようなことあったら無理しないでもう1日くらい休めよ」
「まぁ、平気っしょ、明日は行く」
そうか、と返事をして、俺は荷物を手に取り引き戸を開けた。
あら、ミリくん来てたの!と時雨そっくりの顔をした母親から声がかかった。
遅くまですみません。と挨拶をしつつ、大事な一人息子をキズものにしてしまっている罪悪感からそさくさと靴を履き、ドアノブに手をかけた。
「じゃあ、また明日な」
「ん、おやすみー」
お邪魔しました。と時雨の母親にも一言かけてから、扉を開き、ヒラヒラと手を振っている、時雨に軽く手を上げ、その場を後にした。
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