35 / 46
第34話
望海
は、恥ずすぎる~~~~!!!!
てか……あれ、誰よ?
咲じゃないっしょ!?
咲はあんなこと言わないし、あんな顔しない!絶対しない!!
俺の知っている咲とはまるで別人で、顔が熱すぎてグラグラ茹であがりそうだ。
急いでシャツを身につけて、反応した下半身を手早く処理する。
あばらが折れそうな程心臓が痛くて、胸を押さえながら慎重に脱衣所を覗く。
咲がいないことに安心しながら、ドライヤーのスイッチを入れた。
すると、鏡の中には耳まで真っ赤な俺の顔。
この顔を咲に見られたの、恥ずかしすぎる。
―――こんな顔してたら、好きなのもろバレじゃん!!!
大人しく髪を乾かし、絡まりやすい髪を念入りにブラッシングする。
トイレと風呂が兼用になっているから、咲の姿は何も見えない。
なのに、先ほど脱衣所で半裸を見てしまったから、想像できてしまう自分が憎い。
ズルズルとその場にしゃがみ込み、背中を風呂場のドアにぶつける。
恋人ごっこの時は虚無顔だったくせに、急に男の顔してんじゃねえよ!クソ焦るじゃん!!
咲も俺と同じようにエッチな顔があることを想像しそうになって、いてもたってもいられなくなる。
テレビのある居間まで逃げると、自分の煩悩を消し去るために、見たくもないテレビをつけた。
***
しばらく煩悩と闘っていると、シャワーの音が突然止んだ。
そろそろ出てくるかなと思いながら振り向くと、肩にタオルを掛けた咲が全裸で声をかけてきた。
「は?マジで待ってたの?メシ時間ねーじゃん。いそご。」
そう言いながら近づいてきて、太腿の間にぶらさがっているモノから一瞬も目が離れない。
「普通に咲の勝ちだわ」なんて冗談を頭に並べていないと、自分が何をするかわからなくて怖かった。
先ほどまで落ち着いていた下半身に再び熱が集まり、バレないように背中を向けてその場にしゃがみ込む。
―――こいつ、俺のこと意識してなさすぎ!!!
「ちょ、フルチンで出てくんなよ!!見ちゃったじゃん!セクハラ!!変態!!」
「あ、わり。てか、のぞ見ようとしてなかった?」
「早く!!!パンツを穿け!!!!」
危なかった。
マジで手を出しそうだわ。
咲が天然すぎて怖い。
腹ペコの状態でご馳走を目の前に我慢できた自分を、思い切り褒めてあげたい。
咲からのお触り禁止令から誰ともセックスしてないから、溜まった欲望が剥き出しになるのが怖い。
―――あ~~~~!ヤりてえ!!!
ともだちにシェアしよう!