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第34話

望海 は、恥ずすぎる~~~~!!!! てか……あれ、誰よ? 咲じゃないっしょ!? 咲はあんなこと言わないし、あんな顔しない!絶対しない!! 俺の知っている咲とはまるで別人で、顔が熱すぎてグラグラ茹であがりそうだ。 急いでシャツを身につけて、反応した下半身を手早く処理する。 あばらが折れそうな程心臓が痛くて、胸を押さえながら慎重に脱衣所を覗く。 咲がいないことに安心しながら、ドライヤーのスイッチを入れた。 すると、鏡の中には耳まで真っ赤な俺の顔。 この顔を咲に見られたの、恥ずかしすぎる。 ―――こんな顔してたら、好きなのもろバレじゃん!!! 大人しく髪を乾かし、絡まりやすい髪を念入りにブラッシングする。 トイレと風呂が兼用になっているから、咲の姿は何も見えない。 なのに、先ほど脱衣所で半裸を見てしまったから、想像できてしまう自分が憎い。 ズルズルとその場にしゃがみ込み、背中を風呂場のドアにぶつける。 恋人ごっこの時は虚無顔だったくせに、急に男の顔してんじゃねえよ!クソ焦るじゃん!! 咲も俺と同じようにエッチな顔があることを想像しそうになって、いてもたってもいられなくなる。 テレビのある居間まで逃げると、自分の煩悩を消し去るために、見たくもないテレビをつけた。 *** しばらく煩悩と闘っていると、シャワーの音が突然止んだ。 そろそろ出てくるかなと思いながら振り向くと、肩にタオルを掛けた咲が全裸で声をかけてきた。 「は?マジで待ってたの?メシ時間ねーじゃん。いそご。」 そう言いながら近づいてきて、太腿の間にぶらさがっているモノから一瞬も目が離れない。 「普通に咲の勝ちだわ」なんて冗談を頭に並べていないと、自分が何をするかわからなくて怖かった。 先ほどまで落ち着いていた下半身に再び熱が集まり、バレないように背中を向けてその場にしゃがみ込む。 ―――こいつ、俺のこと意識してなさすぎ!!! 「ちょ、フルチンで出てくんなよ!!見ちゃったじゃん!セクハラ!!変態!!」 「あ、わり。てか、のぞ見ようとしてなかった?」 「早く!!!パンツを穿け!!!!」 危なかった。 マジで手を出しそうだわ。 咲が天然すぎて怖い。 腹ペコの状態でご馳走を目の前に我慢できた自分を、思い切り褒めてあげたい。 咲からのお触り禁止令から誰ともセックスしてないから、溜まった欲望が剥き出しになるのが怖い。 ―――あ~~~~!ヤりてえ!!!

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