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第6話
―遥帰宅後
「おお、ようけ質問が集まってるなぁ。」
「でしょ。うちのリスナーさんに感謝だね。」
「せやなぁ。おおきに。じゃあ、俺は飯作りながらでええ?」
『いいよ~。何作るの?』
『料理できる男子ってイケメン』
「遥~。今日の飯なに?」
「適当にたこ焼きとか?」
『いいなぁ。私もご一緒したい!』
「じゃあ、画面つないどくから一緒に食べよ?」
お誘いコメ(?)が流れるように届いているが俺は適当に流しておく。が、しかし。俺の寿命がすぐそこまで来ている気がする。
「なぁユズ。皿出してくれへんか?」
「いいよ。」
俺の寿命を縮めようとしている張本人がいつもの声で俺の指示を出しているがなんか全部余命宣告に聞こえる。
「なぁ、遥。今日ってたこ焼きの日?」
「おん、なんか不都合でもあるん?」
「いや、特にないけど。」
「ふーん。じゃあ、ええわ。」
ああ、おわった。俺の余命縮みました。というものの、なぜたこ焼きで俺の寿命が縮むかというと、遥が本場(大阪)のたこ焼きを求めるあまり食べきれない量のたこ焼きを俺のさらによそってくるからです。辛いです。本人に言うのもあれだから黙って食ってるけど。実際うまいし。
「たこ焼きプレート出そっか。」
「頼むわぁ」
俺がたこ焼きのプレートを出している間に遥がたこ焼きのタネを作る。いつも通りな流れに少しのあっけなさを感じながらプレートを置くから引っ張り出す。
「これが我が家のたこ焼きプレートちゃんです。」
ちゃぶ台にたこ焼きプレートを画面いっぱいに置く。
『案外本格的なのキタ━(゚∀゚)━!』
『これってトウ〇バのいいやつやん。この大学生何者?!』
「おお、これって結構いいやつなんやなぁ。初めて知ったわぁ」
タネを作り終えた遥がちゃぶ台に来た。さりげなくキャベツの千切りまで作ってきちゃってるし。手際良いなぁ。
「じゃあ、焼いていくで。」
「お願いな。」
遥に焼いてもらってる間にコメントにある質問を拾っていく。基本的に過去に質問を設けた時に答えたものは省いているがこれでもかというほど物量攻めの質問が届いていた。
「ハルに焼いてもらってる間に質問コーナー続行しちゃいます!ええっと『どこの大学に通ってるの?』ううーん。詳しくは言えないけど都内の大学には通ってるよ」
こんな感じでゆるーっと質問に答えようとしたら遥が急に服の袖を引っ張ってきた。なんかあったの?
「なぁ、柚葵。ちょっと配信画面切ってもらってもええ?」
「ん?急にどうしたんだ?」
「まぁいいから。」
遥は深く聞いてほしくなさそうに俺に懇願する。一体何があったんだ?
「ごめんね、みんな。ちょっと画面切るね。」
「ほんとごめんなぁ」
そういって半ば強制的に画面を切って遥に向き合った。
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