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第10話
『麗どうした?
浮かない顔して。
可愛い顔が台無しだろ?』
『えっ、あぁごめんなさい。
考え事してて・・』
今日、言われた事を麗は
重く受け止めていた。
(僕のせいで、子供が
産まれなかったら・・)
また、争いが起こる。
それだけは避けたかった。
『何を考えている?
そなたは我の事を
考えていればいい』
そう言うと清明は麗の
口内を貪った。
『清明、様んん』
(僕はこの人から離れないと
いけない)
『麗、我から離れるな』
『えっ、何を言っているの
です。私は一生あなたの
そばにいます』
心の中が読まれてる気がして
麗はドキリとした。
(嘘をつく事をお許し下さい)
『本当だな。その言葉信じるぞ』
『はい、清明様』
麗は心が痛んだが、方法は
それしかないのだ。
自分にそう言い聞かせ
清明との最後の時を過ごした。
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