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第11話(麗視点)
昨日は清明様の部屋で眠った。
ベッドから降りると、後ろから
寝言が聞こえた
『麗、愛してる・・』
一瞬起きているのかと思ったが
清明様は寝ていた。
『私も愛しております。
どうか、お幸せに』
麗はそう言い残し、自分の
部屋に戻り荷物を持って
この城から出て行く事にした。
『これからどうしよう。
家には戻れないし』
住む場所もなく、少ない
荷物しかない麗は困っていた。
そんな時だった。
「君、うちで働かないか?」
『えっ』
声のした方へ顔を向けると
知らない男が立っていた。
「何か困った様子だったから
声を掛けたんだ。俺の名前
は雨露 だ。クリアという
町で食堂を営んでいる」
クリア。小さな町ではあるが
とても栄えている。
特に工業が盛んな町だと
聞いている。
(城から離れているから
いいかもしれない)
麗はそう思い、雨露に
ついて行く事にした。
「ついたぞ。ここがクリアだ」
歩いて3時間が経った所
にあった。
『うわぁ、綺麗』
(城の庭も綺麗だけど
ここの庭園も綺麗だ)
麗は花がとても好きで
庭の手入れも自分でする
程だった。
「こっちにあるのが
俺の店だ。小さいけど
中へどうぞ」
(今日から新しい生活
が始まるんだ!!)
麗は清明の事をなるべく考え
ないようにした。
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