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第15話

『昨日も麗は見つからなかったか』 麗がいなくて、もう1ヶ月になる。 その間、清明は麗の事ばかり 考えていた。 「皇帝、あちらがクリアという  町でございます」 『・・そうか』 「皇帝、少し町を見て行きませんか。  この町に麗がいるかもしれません」 『そうだな。少し探してみよう』 清明はディエール王国の視察 をするためにクリアの町を 横切る必要があった。 少し歩くと色々な店があった。 人も沢山いて(にぎ)やかだ。 『これ、下さい』 聞き覚えのある声が(かす)かに 聞こえた。 辺りを見渡してみると麗に似た 少年が立っていた。 『麗!!』 『えっ』 麗と呼ぶと、反応した。 やはり、麗だったのだ。 『な、何でここに・・』 『そなたに会いたかった。  この時をどれほど待って  いたか』 『は、離して。私は雨露の  店で働いているのです。  もうあなたのものでは  ありません』 『雨露、だと』 明らかに男の名前だった。 (他の者と仲良くするなとあれほど  いったのに) 清明はまた怒りが込み上げて きた。 『いくぞ!!そなたを城へ  戻す』 『いや、です。離して』 『抵抗するな!!  そなたは我のものだ』 麗は清明が怒っている事に 気づき、抵抗を止めてついて いく事にした。

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