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シャンメリーを一口含み、置き、改めてテーブルを見やると、中央の大きな七面鳥、その周りには、サラダ、グラタンに、ピザ、ガーリックトーストと、目移りしてしまうぐらいの豪勢な料理がずらりと並んでいた。 こんなにも美味しそうな料理を食べてしまったら、また体重が増えてしまうと思っていると、「これうまー!」と葵人から見て斜め前に座っていた山中が、受け皿に山盛りにしたあらゆる料理を、もしゃもしゃとそれはもう美味しそうに食べ、その隣の石谷は、「すごいな……」と何度も呟きながら、携帯端末で連写しまくっていた。 そんな二人を見て、義両親が微笑ましい顔で見つめていた。 そして、葵人はそんな雰囲気につられて、自分も今日はたくさん食べて、明日から運動を頑張ろうと、受け皿に置いてあったフォーク手を伸ばした。──その時。 「葵人」 「えっ、──っ!」 隣に座っていた碧衣にふいに呼ばれ、驚いて振り返ると、口に何かを入れられた。 そのまま恐る恐るといったように、ゆっくりと咀嚼すると、濃厚で肉のような食感が、口の中で広がった。 美味しい。 喉に通し、そう思うが、いきなり何を。 「え、え……っと、これは……?」 「七面鳥だ。あんなにも腹減っていたくせに、目移りでもしていたのか?」 小さくくすりと笑われたその表情に、やっと笑ってくれた、というよりも、「それも、そうなんだけど……」と頬を赤らめて、しどろもどろになっていた。 「……さっき、僕のことを抱き上げて、何とも思わなかった……?」 「何を──」 「あー!! あおちゃんズがイチャイチャしてるー!!」 「「!!」」 突然の第三者の声により、肩を震わせるほど驚いた二人は、一斉に声がした方へ顔を向けた。 「おい、秀……今、めっちゃいいところだったのに、声上げんなよ……。尊きものが写真に収められなかったじゃん」 「ひぃっ! 優がめちゃくちゃ怒っているじゃん……っ! ごめんて!」 「大丈夫よ、石谷君。高橋さんが撮ってくれたみたいだから。──あ、あおちゃんズは私達のことは気にせず、続けていいわよ」 「そうだぞ! そして、私はそれを肴に酒を呑むからな! ガッハッハッ!」 あおちゃんズとは何、という疑問もあったが、それよりも皆が皆、見ていたとは。 あまりにも恥ずかしすぎて、ひとまず、シャケのぬいぐるみで顔を埋めたいところだ。 ああ、でも、化粧が付いて汚れてしまうから、止めておこうかと思い直していた時。

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