24 / 25

その後。

胸の痛みを覚えて、葵人は瞼を開いた。 薄暗闇の部屋の中、半覚醒の状態で、手探りで胸辺りを触った。 「いっ!」 突起部分が指に触れた時、ピリッとした痛みを感じた。 そして、同時に思い出された、碧衣からのお仕置き(クリスマスプレゼント)のことを。 瞬時に、かぁっと頬が熱くなっていく。 突然、何をされるのだろうと思っていたし、まさか、ピアスをこのような部分に付けるとは思わなく、すぐには理解が出来なかったが、乳首も性感帯であるらしい、常に微弱な電流が流れているかのように痛みを感じ、そのせいで腰が疼いて仕方なく、足を擦り寄せた。 が、その胸を触った時、違和感を覚えた。 さらに窮屈さを感じていた下着が着用されていなかったことに。 何故なのだろう。あの時、まさかの行動をした碧衣がずらした際に、取れてしまったのだろうか。 義母が肩を晒すからと、いつもと違うブラを付けてくれたのだが、やはり紐部分がないから取れやすいのだろう。 けれども、服の下にあるような感覚がない。 布団を捲り、胸辺りをずらした。 「んっ……」 すぐ隣から小さな呻きが聞こえ、怠そうに起き上がる碧衣に、飛び起き、服を直そうとするが、慌てているせいで上手く出来ずにいた。 「……何、やってんだ。誘っているのか?」 「さ、そ……っ! 寝起きに何言っているの!」 「寝起きで、そんなことをしているお前が悪いと思うが」 噤んだ。 そんな葵人のことはよそに、欠伸をし、髪をかきあげながら、「で、何してんの」と訊いてきた。 「な、何って、その……。……碧衣君がここをずらした時に、下着がどこかにいっちゃったみたいで、探しているんだけど……」 「下着? 下着…………あぁ、多分、アレのことか……」 再び欠伸をしつつ、枕元を探っていると、「コレか?」と差し出してきた。 薄暗闇ですぐには分からず、目を凝らすと、葵人が探していた物だと分かると、「そう、コレ!」とひったくるように取り、晒した胸と共に手で隠した。 「……風呂に入れた時、気づいたんだが、付け方が分からなくて、勝手に取っちまったんだわ」 「え、お風呂に入れてくれたの……?」 「だって、お前、射精()したのだから、綺麗にした方がいいだろ。腹下すかもしれねーし」 「……そう」 片手でそっと腹部に手を当てる。 気絶してしまったその後、そこまでしてくれたことに、申し訳なさを感じた。 そして、同時に胸が苦しくなるぐらい嬉しい気持ちでいっぱいになる。 それに応えるかのように、乳首がさらに痛みが増してくる。

ともだちにシェアしよう!