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その後。
胸の痛みを覚えて、葵人は瞼を開いた。
薄暗闇の部屋の中、半覚醒の状態で、手探りで胸辺りを触った。
「いっ!」
突起部分が指に触れた時、ピリッとした痛みを感じた。
そして、同時に思い出された、碧衣からのお仕置き のことを。
瞬時に、かぁっと頬が熱くなっていく。
突然、何をされるのだろうと思っていたし、まさか、ピアスをこのような部分に付けるとは思わなく、すぐには理解が出来なかったが、乳首も性感帯であるらしい、常に微弱な電流が流れているかのように痛みを感じ、そのせいで腰が疼いて仕方なく、足を擦り寄せた。
が、その胸を触った時、違和感を覚えた。
さらに窮屈さを感じていた下着が着用されていなかったことに。
何故なのだろう。あの時、まさかの行動をした碧衣がずらした際に、取れてしまったのだろうか。
義母が肩を晒すからと、いつもと違うブラを付けてくれたのだが、やはり紐部分がないから取れやすいのだろう。
けれども、服の下にあるような感覚がない。
布団を捲り、胸辺りをずらした。
「んっ……」
すぐ隣から小さな呻きが聞こえ、怠そうに起き上がる碧衣に、飛び起き、服を直そうとするが、慌てているせいで上手く出来ずにいた。
「……何、やってんだ。誘っているのか?」
「さ、そ……っ! 寝起きに何言っているの!」
「寝起きで、そんなことをしているお前が悪いと思うが」
噤んだ。
そんな葵人のことはよそに、欠伸をし、髪をかきあげながら、「で、何してんの」と訊いてきた。
「な、何って、その……。……碧衣君がここをずらした時に、下着がどこかにいっちゃったみたいで、探しているんだけど……」
「下着? 下着…………あぁ、多分、アレのことか……」
再び欠伸をしつつ、枕元を探っていると、「コレか?」と差し出してきた。
薄暗闇ですぐには分からず、目を凝らすと、葵人が探していた物だと分かると、「そう、コレ!」とひったくるように取り、晒した胸と共に手で隠した。
「……風呂に入れた時、気づいたんだが、付け方が分からなくて、勝手に取っちまったんだわ」
「え、お風呂に入れてくれたの……?」
「だって、お前、射精 したのだから、綺麗にした方がいいだろ。腹下すかもしれねーし」
「……そう」
片手でそっと腹部に手を当てる。
気絶してしまったその後、そこまでしてくれたことに、申し訳なさを感じた。
そして、同時に胸が苦しくなるぐらい嬉しい気持ちでいっぱいになる。
それに応えるかのように、乳首がさらに痛みが増してくる。
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