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第8話

「ちょっと!!神様のぼくを無視して勝手にふたりの世界に入らないでよ!!!」 「…あ、すみません。けどこうなったのはそちらが僕らに意地悪な事を言うからでしょう…?」 俺たちを引き離そうとするアッカムイに、俺は冷ややかな視線を送りつつ言った。 「ぼ、ぼくは諦めないんだからね!繋くん、覚悟しといてよ!!」 「承知しました。雅美に絶対手を出さない、そして俺が毎月付き添えるというのならこの身体、あなたに差し出します」 雅美を背後に隠すようにしながら話す。 「繋さん……」 どうって事はない…はずだ。 それに…アッカムイに読まれているかもしれないけど、俺にはある考えが浮かんでいた。 「ふふっ、そんな顔も色っぽくて好きだよ、繋くん。じゃあ毎月付き添うのは特別に許してあげる。来月までの間にきみのところに行ってきみを抱けるのをすっごく楽しみにしてるからね」 そう不敵な笑みを浮かべて言うと、アッカムイは高くジャンプし、消えてしまった。 アッカムイに抱かれなければいけないという事に関しての詳しい話は仕事の後でしようと雅美に約束し、俺は仕事をこなして帰宅した。 雅美はその事で悩んで寝られなかったと言い、仕事を終えたばかりの俺に抱きついて涙を流した。 「ごめんね、辛い思いをさせてしまって」 「繋さんが悪いんじゃないんです。全部あいつが悪いんです。何で、なんであんなのが神様なんすか……」 「そうだよね……」 肩を震わせている雅美の背中を撫でる。 胸にあててくれてる手から伝わる温もりが心地良くて、この手が俺だけのものだと思うと嬉しくてたまらなかった。 「俺、考えたんだけど……」 全ては雅美と子供の為。 俺は考えた事を雅美に伝えていた。 それは、アッカムイに犯される前に雅美に挿れてもらう、という事。 俺の初めてを雅美に貰って欲しいとお願いしたんだ。 「オレが……繋さんに……」 雅美の顔がみるみる赤くなっていく。 「ごめんね、こんな事しか考えられなくて」 「……いえ、オレの為にそこまで考えてくれたっていうの、分かりますから。ちゃんと出来る自信ないっすけど、よろしくお願いします」 頬を赤らめたまま、まっすぐな瞳で俺に言ってくれる雅美。 あぁ、こんな俺なのにこんなにもまっすぐに愛してくれるのが本当にありがたい。 「こちらこそ、よろしくお願いします」 雅美を抱き締め返すと、俺は言った。

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