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第12話

アッカムイに抱かれた俺。 その影響なのか、赤っぽかった瞳はさらに赤くなってしまい、髪の毛の色も黒というよりは灰色というか銀色になってしまい、身体も少し背が伸び、筋肉もついた。 そして、俺もたまにだけど相手のココロが読めるというか聞こえるようになっていた。 『オレのせいだ』 雅美は変わってしまった俺に当初そんな感情を抱いてしばらく落ち込んでいたけれど、やがてそんな事を考える余裕がなくなっていった。 悪阻に襲われたのだ。 安定期に入るまでの間、雅美は食べ物の匂いだけで具合が悪くなる時があり、食べても吐く日々が続いていた。 それでも雅美は卒業まで休まず学校に通い、俺は見た目の事もあってホテルの仕事から人前にほとんど出ないゴルフ場の管理の仕事に変えてもらい、時間も短くしてもらって雅美の傍にいるようにしていた。 アッカムイはそんな雅美とお腹の子の為に栄養のあるという飲み物を作ってくれて、それだと雅美は吐く事もなく少しの間は体調が落ち着いた。 そうして半年が過ぎ、雅美の悪阻はようやく収まり、全体にくっきりと模様が浮かんでいたお腹が徐々に膨らんでいった。 それと同時に、悪阻で食べられなくて痩せてしまった身体にも少しずつ肉が戻っていき、購入していた妊婦さん用のジーンズがぴっちりとしていって、そのお尻の形や太ももがくっきりとしている姿はどことなくいやらしかった。 悪阻の間、全くそういう……性的な事が出来なかった俺にとって、そんな雅美の姿は興奮せざるを得なかった。 それは雅美も同じだったみたいで、体調が安定した事で抑制されていた想いが解放された様だった。

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