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第20話
俺からの遺伝なのか、息子は少し目が紅い子だった。
名前は雅美と話し合って考えていたけど、そのお披露目は息子が歩き始めた後でする事になり、それまで何かあっては困るという事で俺は育児休暇をもらえる事になった。
雅美と息子の傍にいられるという幸せな日々。
変な呼び名という事で、俺たちは息子をその目の色からアルピノを省略してピノという呼び名を考えた。
ピノの誕生から1週間後、父がピノの誕生を祝う会を開いてくれて、親戚や妖怪がたくさん集まってくれた。
雅美の両親も来てくれて、お父さんもお母さんもピノの顔を見て赤ちゃんの頃の雅美にそっくりだととても喜んでくれた。
「こちらでもお祝いを考えていますから、近いうちにぜひお越し下さいね、
繫さん」
「ありがとうございます」
ピノの誕生で、俺たちは1ヶ月くらい慌ただしい日々を過ごした。
雅美の実家の本家にも滞在して、そっちの方のしきたりに従って過ごしたり、土地の神々や妖怪たちに挨拶回りをしたり。
俺が次期頭領だから、という事で雅美とピノに負担をかけてしまった。
それでも雅美は俺に文句も言わず、3人で頑張りましょうって言ってくれたし、ピノも行く先々で笑ったりもしてくれた。
挨拶回りが終わると、俺たちはようやく腰を据える事が出来た。
雅美とピノを育てながら、仕事を休んでいる間にと大学の単位を取る日々。
ピノは今のところだけど夜泣きもほとんどなく、手のかからないおとなしい子で、よく寝る子という事もあって、俺たちは夫婦だけの時間も確保出来ていた。
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