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春夏秋冬 3話 二重人格

会社 「おはようございます」 「秋さん、おはようございます」 俺は会社では昨日の俺とは違う、人種で言葉を発している。 あの後、冬園は5回も中出しして正直、腰が悲鳴をあげている。 年齢か前はもっとされても問題なかったのに、歳をとると怖いな。 「そういえば、今日は新規さんいらっしゃるようで、秋さんにお願いすると矢島さんが仰ってましたよ」 「矢島さん……直接俺に言ってくれたほうが嬉しいんだけどね」 にこにこと皮肉をいうと、女性社員は目の保養と言っていた。 作業していると矢島さんに呼ばれ、新規の方を迎えに行く。 「は……初めまして、夏目です」 うわぁー緊張してるな。 「初めまして、教育を担当させていただきます、秋です、よろしくお願いします」 握手をしたがなんだこの肉厚。 俺の手が飲み込まれたぞ。 「んじゃ、秋よろしくな」 「はい」 「では、ご案内しますので、こちらにどうぞ」 「は……はい」 「ぶふっ」 「!?」 「失礼、緊張されてますか?」 「はい」 熱々の肉まんから湯気が立ち上ってる。 エレベーターホールで待っていると 「あれ? 秋ちゃん」 「お疲れ様です。春風さん」 「なになに? 新しい子?」 「はい、あっ、夏目くん、システムエンジニア部の春風主任、事務部と関りが多い人だから頭の片隅にでもおいておいてね」 「えっと、はい、夏目です。よろしくお願いします」 「よろしく……それにしても肉厚だな」 スーツパツパツでボタンもはちきれそうだ。 「秋ちゃん、頭の片隅って酷いな、頭の中に入れておいてね」 エレベーターに乗り込み。 「うわぁ秋ちゃん、背ひっく」 「そんなことないですよ、俺はふつうサイズなので、みなさんが電信柱のように高いだけですよ」 「でた、秋ちゃんの皮肉言葉、夏目くん、もし秋ちゃんにいじめられることがあったら身長のこといろいろ言ったら許してくれるからね」 「えっと」 「はいはい、春風さんはここの階でしょ、降りてください」 「んじゃ、じゃーね」 手を振り、俺に合図した。 「ごめんね、春風さん、お喋りの人だから、基本無視してもらって構わないよ」 「え、でも僕は……」 まぁ無視なんてできないよな、俺もああいう経験してないと春風さんを無視するなんてできなかったしな。 「気軽にして大丈夫から」 「あ、はい」 事務部につくと挨拶回りと席を案内してお昼をまわった。 「あの、ごはんってどこで食べたらいいですか?」 「あ、10階に社員食堂があるからそこで食べてもらってもいいし、外に」 「おうおう、秋、連れねぇな」 「矢島さん、夏目飯食い行くぞ!!」 と人さらいのように連れて行ってしまった。 すみませんね、俺は他の用事があるんです。

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