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春夏秋冬 7話 シフォン
会社が終わり外に出ると、ビルの隙間に隠れていた春風さんに捕まった。
「なんですか?」
「エネマグラ取らないで帰宅できるの?」
「俺を誰だと思ってるんですか?」
「悪い、ビッチくんでしたね」
舌が首筋を舐める。
「うんっ、なんですか! 野外プレイでもするんですか?」
「んーや、ちょっとお前に話したいって人がいるから来い」
と連れていかれたのは春風さんお気に入りのお店だった。
店に入るといかつい男たちの隙間に女性や男性が飼われていた。
なにが行われているのかを察して逃げようとすると
「おいおい、兄ちゃんいい面してんじゃないか、ちょっと味見させろよ」
と腕を捕られる。
「春風さん、ここなんすか?」
「ん? SMクラブだよ」
「……っすよね……」
聞かなくてもわかる、だって声が悲惨すぎてまじ帰りたい。
「んで、秋ちゃんはオーナーに呼ばれてんの」
と部屋の奥に連れていかれる。
「ってなわけでオーナー、秋ちゃんのことよろしくね」といい1人いなくなる。
「はぁ??」
と追いかけて外に出るが春風さんを見失う。
男たちに捕まり、店に連れ戻す条件を言われ、すぐさまOKを出した。
SMクラブって昔ちょっと経験してあまりいい思い出がなかったんだよな。
オーナーについていくと、壁と部屋と……??
壁から男性の尻が突き出ている。
「んじゃ秋ちゃん、服脱いで」
言われた通りに脱ぐが忘れていた、エネマグラのこと。
ケタケタとオーナーに笑われた。
「さすがはビッチくん、優等生ぷりを発揮してて嬉しいよ」
と尻を叩かれた。
「いててっ」
「それじゃ、秋ちゃん、壁穴に頭から入って、あっちに人いるから腕とか固定してもらってね」
「はーい」
男を相手にすれば金がもらえるというやっすい話をさせられ、俺は掘られにきた。
変な話、俺のような美貌なら10万なんて余裕で稼げるがたまには面白いことしたいなという気軽な気持ちで入った。
壁から顔を出すと、数人の男と目があう。
「あ、どーも」
「っす」
と軽く挨拶する。
笑いそうになるのは少し黙っておこ……
「ぐふっ無理、ガハハハ」
なんだってみんな同じ格好をしているからだ。
「秋ちゃん、そろそろだからしー」
「ほーい」
お腹あたりを固定され、腕は頭の位置で固定される。
お客には尻が出ている部屋しか入れず、顔がある部屋には入れない。
入口でコンドームとジェルを渡され、部屋の中であれば好きな穴に突っ込めるし、あと何回でもできる。
そして突っ込まれた穴にお金が入るという仕組みだ。
オプションで声が聞こえる耳あてを受け取り、喘ぎ声を聴きながらプレイできる。
ほとんどのお客がオプションを使っていて自分の世界にどっぷりとハマる。
そしてなにより面白いのが尻壁のほうに数人の男が出入りするということ。
金さえ払ってルールを守れば誰でも利用できる。
それに気に入った子をお持ち帰りできるシステム、これは別高額料金になるが。
受けで望まないこともできる。
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