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オレの髪が黒でも、銀でも、どちらだったとしてもわからない真っ暗な中で……
嬉しそうにするクラドはいったい、オレに誰を重ねているのか。
髪に触れる指先が遊ぶように襟足をくすぐり、聞こえてきたヒロの泣き声に慌てて羽織っただけのシャツの隙間からするりと中へ入り込む。
探るでもなく、この暗い中でクラドの指は的確にオレの両胸の先端を捉えて、まるでそれが自分のものだと主張するように遠慮なく摘まみ上げてくる。
「ぁ っん゛ 、そこ、は 」
敏感になっているために反射的に逃げを打ちそうになったオレをぎゅっと抱えこんで、指はなんの戸惑いもなく先端を意地悪げに転がす。
その刺激のせいで痺れるような感覚がざわざわと皮膚の下を駆け上がり……
「だめ っまだ、お乳が……」
「ああ、そうだな、ずっといい匂いがしている」
乳首から白濁の液体を零していることを恥ずかしがっても、クラドの手は止まることはなく、むしろより一層の執着を見せるようにくにりと擦り上げてくる。その度にぽたりと雫が落ちてしまって、小さく首を振ってイヤイヤと意思表示をして見せるも効果はなく、逆に煽ってしまったのかクラドの少しざらりとした感触の舌で舐められてしまった。
下から少し持ち上げるように、熱い舌が焦らしながら舐め上げてくる。
「 んっ」
「匂いと同じで甘いんだな」
それが何の感想か理解する頃にはクラドの柔らかい唇が胸を覆って、きゅっとその頂に吸いついていた。
ゾワゾワとした落ち着きのない、なのに自分から進んで受け入れてしまいたくなるような気持ち良さが、胸を中心に広がって……
何もされていないはずなのに主張し始めた前の部分が、しっとりと雫を零す感触がする。
懸命にその熱を逃がそうとして膝を擦り合わせてはみても、クラドの舌は休まることなくオレの乳首を弄んできて、あっと言う間に根を上げるしかできない。
胸を弄られながら、少しざらりとした掌で満遍なく擦るように皮膚の薄い箇所を辿られると、意識していないのに体がヒクリと震えて縋るようにクラドへとしがみついてしまう。
肉厚な胸板と、日の光の匂いのする肌、筋肉の筋の浮く力強い腕に押さえられて、標本のようにベッドに縫いつけられてしまうと、すべてが蹂躙されたような、身も心も捧げた生贄のような気分になってくる。
「クラ ド、さ 見ないでくださいっ」
体を隠そうとすれば腕に力が入って、オレは前を隠すこともできずにただクラドの目の前にはしたない滾りを晒す羽目になった。
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