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落ち穂拾い的な 三人の関係は

 あっと思った時には俺の隣にばたんと巨体が不時着した音が響いた。  かろうじて体制を整えていたものの、いきなり胸倉を引っ掴まれて放り投げられたせいか、兄の尾は二倍近く膨れ上がっている。 「エルっ!」 「座りなさい」 「っ!」  片手で兄を放り投げたエルの声に兄はぴっと背筋を伸ばして正座して……俺も倣うようにその隣に座った。  身長は俺よりも高かったが文官らしいほっそりとした体つきからは想像もできない怪力と、普段は眼鏡の奥に隠されている圧と……  国王である兄ですら怯えさせるエルは、本来の名をエル・リノ・リ・エレト・ラキウスと言う。  つまり、俺達の長兄だ。  鴨獣人の外見ではあるがその中身は誰よりも前国王陛下に似ているエルは、前王の房事手ほどきの際に誤ってできてしまった子供だった。  本来は王に閨事の指導をする相手とは子供は作らないと言うのが暗黙の了解と言うものであったが、それは前王のことだ、そんなものに構う人ではなかった。  前国王の長子であるからと言う理由だけではないが、昔から幼馴染として過ごしている俺達にとっては自然と頭の上がらない相手でもあって……   「私の番ですね」 「いやそんなわけ  っ」  どん と執務机を叩かれて兄が飛び跳ねる。  もうこれ以上太くならないと思わせた尾を更に太くして、びくびくと身を竦めている。 「お二人とも、王族としての立場はご理解していらっしゃいますか?」  ここで、俺はもう籍を抜けたから……なんて生意気を言うとただじゃすまないことはよくよく理解していたから、唇を引き結んで項垂れるだけだ。 「ましてやクルオス! 貴方は国王でしょう!」 「でももうヒロが産まれ   っ」  再びどん と鈍い音が響いて、さすがの兄も口を閉ざしてしまった。 「こ、く、お、う、でしょう?」 「……はい」 「それがすべての責任を放り出して何を前線どころか渦中に飛び込んで行ってるんですか! しかも何の相談もなく! しかもルキゲ=ニアまで持ち出したでしょう⁉︎ アレはおいそれと持ち出していいものではないんですよ⁉︎」 「いやでも、あれは俺が師匠からもらったも  っ」  どん と三度目の衝撃で執務机がミシリと音を立てる。  名工が技術の粋を集めて王のために細工を施したそれがいつまで耐えられるのか、俺は胃がキリっと痛み出すような感覚を覚えて腹を押さえた。 「それに、報告が上がってますよ? 『漆黒』の隊であるダンクルが触手を受け止めて と」 「……あー……俺以外は無理だろ」 「無理だろうじゃありませんよ! 貴方国王なんですよ⁉︎ 一番奥にいなきゃいけない人がなんでタンクやってるんですか!」 「あー……」

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