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落ち穂拾い的な クラドの謝罪
よろけるようにして椅子に座る。
ヒロの時とは比べ物にならないほどに大きくなったお腹を抱えて、準備を忘れたものはないかと考えを巡らせていく。
初産と言うわけではないのだし、経験もあることなのだけれどやっぱり備えると言う点では幾ら準備をしても何かが抜け落ちてそうで不安になってくる。
必要なものを書いたリストを目の前にして、すべての項目にチェックが入っているけれど何かを忘れてそうで……その不安感を消してしまいたくてクラドに手を握って欲しいけれど、残念ながらクラドはここにはいない。
ここ と言うより、王城にいなかった。
数日前に「しばらく出かけてくる」と言って馬に乗って行ったっきりだ。
どうしてこんないつ出産になってもおかしくない時期に何日も出かけているのか……と恨み言を言いたくもなったけれど、クラドは忙しい職務の合間を縫って細やかにオレやヒロに接してくれているのを知っているから、文句は言いたくなかった。
けれど、大きなお腹を抱えて不安は波のように押し寄せてくる。
もし急に産気づいたら?
もちろん、ヒロはたった一人で産んだのだから今度もできなくはない。
けれどその手のたくましさを知って、支えてくれる頼もしさを感じてしまったら……クラドのいない出産が怖いように思えて仕方が無くなってしまっていた。
「いざとなれば、兄さんもいるけど……」
細いかすが兄さんの手では縋りついた際に骨を折ってしまうかもしれない。
そんな心配があるから、クラドには早く帰ってきて欲しかった。
新しい家族が増えるのは嬉しいし楽しみだけれどその分不安も大きくて……
窓から庭を眺めて、クラドは今日も帰ってこないのかとぐっと苦しくなる胸を押さえる。
ロニフがヒロを遊ばせているのを見ながら、この子達が産まれたらどうしようと考える。
ヒロもまだまだ手のかかる年だし、むしろ最近は歩くようになってきたから常に傍にいないと何をしでかすかわからない状態だ。
向こうの世界の記憶があるから子供はどうしても自分で育てたいと言ったオレを、クラドは自由にさせてはくれているけれど……今度ばかりはそうはいかないだろう。
赤ん坊を二人抱えてヒロについて回るなんて……
思わず深い皺を寄せてしまった眉間を大慌てで指で押す。
近頃こんなことばかりを考えているせいか気持ちが鬱となりやすかった。
努めて考えないようにはしているが、けれど確実に迫った未来のことに思いを馳せないでいるのは難しい。
「どうかなさいましたか?」
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