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第13話(マイク)
「ブライアンは、まだ眠ってる?」
「ああ、眠ってる」
スティーブはブライアンの点滴パックを交換している。
ブライアンはまだ青白い顔で眠っていた。
「デリバリー届いた。今日は温室で食べない?」
結局、バタバタして夕食を食べてなかった。
「良いよ、ワインは僕が持っていく」
デリバリーしたイタリアンを今日は研究室の奥に作った小さな温室で食べる事にした。
だってさっき押し倒されたダイニングは気不味いだろ。
温室はいつも15℃〜20度ぐらいに調整していてパキラ、サンスベリア、アイビー類が咲いている。
温室の隅に置いている古いアンティークのテーブルセットは祖母が亡くなった時に引き取った年代物だ。
子供の頃、やっぱり祖母の温室に置いてあって、よく2人でハーブティーを飲んだ思い出がある。
デリバリーのパスタやピザをテーブルに置くとすぐにスティーブがワイングラスとボトルを抱えてきた。
「スティーブ、明日から中国だっけ?」
「6日間ぐらいで戻る予定だ。最近は君と少しでも離れるのが辛いよ」
「俺も」
軽くキスをして、やっと遅めのディナータイム。
今がチャンスかな。
ワインをグイッと一口で流し込んだ。
「スティーブ、、、中国から戻ったら話したい事がある」
俺はずっと言わなきゃと思ってた事を口にした。
緊張する。
俺だってこのままズルズルと曖昧なままスティーブを苦しめたい訳じゃ無い。
スティーブは驚いた顔だ。
そんな顔させたい訳じゃない。
「分かった」
スティーブは何の話かは追究して来なかった。
いや、何の話か聞けなかったのかも。
少しだけ気不味い沈黙。
「クリスマス、どこに行きたい?」
俺は話題を変える事にした。
「君とならどこでも楽しそうだ」
スティーブの目尻が下がった。俺の好きな顔。
「じゃあ、俺がデートスポットのリストアップしておく!クリスマスはヴィランもマフィアも武器商人も全員休暇取ってくれないかな」
「あはは、そうだね。そうすれば僕もゆっくり君とクリスマスを過ごせそうだ」
クリスマスはもうすぐ。
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