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第16話(トム)
今日はNASAと我が社でのスペースコロニー開発計画の中間発表および実務者会議の承認報告会だ。
目の前にはNASA長官のクラレンス・ウィリアム•ビル•ネルソン。
そして、、、
「スペンサー大統領、やっとお会い出来て光栄です」
若きアメリカ合衆国大統領のシェーン•スペンサー。
「やぁ、どうも」
しっかりと握手をしておく。
軽く挨拶をしてから30人程の各人が席に着いた。
スペンサー大統領の心は、、、
ザワついてるな。
焦り、憤り、不安ってとこか?
流石、大統領。すぐには心を読ませない。
やり手とは聞いていた。
スペンサー大統領は若い分、政治活動も精力的。LGBTや有色人種にも理解があり、どちらかというと白人至上主義者達からは煙たがられそうだが元々はアメフト選手で白人のマッチョタイプ。
大統領夫人は元チアリーダーと正にアメリカの象徴。
モデル並みの美貌で有名なアマンダ•スペンサー大統領夫人の人気も彼を支えている。
さて、大統領の不安は何か?もう少しお近付きになりたい。
「では、早速始めましょう」
ネルソン長官の一声で報告会はスタートする。
僕の横に控えるのは、我がスペースラボ社の取締役のモーガン•トールキン、主任研究者のザック•スナイダー。
2人とも数少ない信頼できる部下だ。
スペースコロニー計画の進捗は46%という所だ。月面作業が出来る一部施設が既に完成しており数人の技術者が月面に滞在中。
最終的には86,755㎡の巨大複合施設になる。
勿論、月の権利は金で売買されロシアや中国にドイツ、フランスも既に月面基地計画を進めている。
だからこそ、弾道ミサイルの抑止力は必要だ。
頭上から狙われてしまえば、地上は無防備。
他国がミサイルを配備する前に。
それが国を必ず守る。
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