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第18話(スティーブ)

早朝にブライアンは目を覚ました。 たまたま目が覚めてキッチンに水を飲みに来ていたから気づいた。 マイクはまだ寝室で眠っている。 ブライアンの背中を支えてゆっくりとソファーに座らせた。 「大丈夫か?」 「ああ、大丈夫だ。お前達には迷惑かけたな、すまない」 「僕らは結局何も出来なかったよ。ライリーに来て貰った」 「そうか、礼を伝えてくれ」 「分かった。それより、君をここまで追い詰めたのは何者なんだ?カサドールなのか?なにか手掛かりは?」 「俺が戦った相手は、、、アレは人間じゃない」 「アレ?」 「ああ、カサドールのハンター達は訓練された殺し屋集団だが、昨日俺を襲ったアレは、、、人型のアンドロイドだ」 「前にグラスゴー博士がナノテクを応用したアンドロイドを見ていた。確か開発者はニック·カーター博士だ」 「ただの金属ロボットならマシだ。そのロボット、見た目は完全に人間。皮膚も髪も人間そのもの。近づいても気づかなかった。反撃してもすぐに再生するし、見た目だって自由自在に変えられる。俺が最初に見た姿はお前だったからな。不意打ちを食らった。タチが悪いだろ」 「見た目を自由自在に変えられるなら誰にでもなりすませるのか?」 「恐らく。見た目は自由自在に変えられるし、腕や足を瞬時に鋭い刃物や武器に変え襲ってくる。パワーもスピードも桁違い」 「かなり危険だな。すぐにハワード支部長に」 「駄目だ、もしそのロボットが既に支部長になりすましていたらどうするんだ?」 「、、、だったら何故、君は今、目の前にいる僕やマイクをアンドロイドじゃないと確信できる?」 「俺は、、、ずっとマイクを監視していた」 「どういう事だ?!それにこの件と何か関係が?」 「マイクについての預言はもう知ってるだろ?マイクは覚醒前のネオヒューマンズ。そして世界滅亡とマイクの覚醒はリンクしている。 スミス長官からの依頼だよ。俺はまだ長官に雇われてる」 「マイクに付き纏ってたのか?」 苛立ちで棘のある言い方になる。 「お前の任務中に、影から見守るだけだよ。接触は最小限にと命令されてる。 昨日は、監視中にお前の姿をしたアンドロイドと出くわした。マイクはずっと監視していたし、アンドロイド型のお前とはもう戦って追い払った。 だから、この家にいるお前とマイクは本物だと確信してる」 「成る程、、、」 「お前の留守中は俺がマイクを守る」 ブライアンが真っ直ぐに目を見て言った。 「この傷でどうやって守る?!僕はこれから中国の北京支部に行く。やはり誰かマイクに護衛が必要だ」 「WIAにはまだ裏切り者がいる。それに誰になりすますか分からないロボットだぞ、誰も信用出来ない」 「でもマイクに何かあったら、、、」 「俺だってマイクに何かあったら耐えられない。だから、今だけは俺を信用しろ。留守中は必ず俺が守る」 「この傷で戦えるのか」 「いざという時はマイクごとジャンプする。この傷じゃ、多分ジャンプは1回だ。それ以上は身体が持たない」 確かに、危険が迫った時にブライアンならマイクと瞬間移動が出来る。 それに彼は元WIAで戦友だ。 嫉妬心をグッと抑えた。 「マイクを、、、頼む」 また、僕の役目じゃないのか? マイクを救うのは。

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