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第20話(トム)
帰宅してシャワーを浴びる。
寝室のベッドには先に眠っているカイトがいた。
眠っている姿はいつもより更に幼く見える。
若い艶々した肌、美しい黒髪、切長の目元、薔薇色の薄い唇。
スラリと伸びた手足。細い首筋の黒子。
そっとベッドに座り幼い恋人を見つめた。
中国から戻って来たら、カイトをデートに誘う予定だ。
付き合い始めてすぐにカイトはWIAのネオヒューマンズクラスに編入したし、慌ただしく同棲をスタートしていたからデートらしい事もしていなかった。
それに僕はキス以上に進みたいと思っている。
だが、カイトはあまり感情表現をしないタイプだ。
カイトがセックスを拒む可能性もある。
出来る限りカイトに負担が無い様に、予習も準備もした。傷付けたく無い。
「君のことを考えたらオジサンは身を引くべきなのかもしれないな」
君を愛してしまった。
もう後戻り出来ないほど。
僕から離れるなんて無理だ。
いっそ、カイトに拒まれてしまえば諦めもつくのかもしれない。
いや、無理だな。
閉じ込めてしまいたい程、僕はカイトに執着している。
隣に潜り込んで、眠っているカイトを抱きしめた。
「うん?トム?おかえり」
「ただいま。起こしたね、すまない」
カイトはまるで猫の様に胸元に鼻を擦りつけている。
「だいじょーぶ、、、」
直ぐに寝息を立て始めた。
腕の中で眠るカイトが愛おしい。
額にキスをしてから眠りについた。
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