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第22話(スティーブ)

早朝にWIAニューヨーク支部の駐車場に到着した。 車を降りてエレベーターへ向かおうとしているとマイヤーズ隊長とすれ違った。 「中国行きですか?」 「ああ、しばらく留守にするよ。ニューヨークを頼む」 「お気を付けて」 「ありがとう」 WIA最大の戦闘チームニューヨーク支部a(アルファ)隊、通称ニューヨークアルファの隊長だ。戦闘力はレベル5+。 現役のエージェントだった時のブライアンを倒した唯一の男だ。 鋭い切長の目、筋肉質なスラリと伸びた手足、口数は少なく笑った顔を見た事が無い。 というか、僕にだけ笑い掛けないのかもしれない。 たまに、チームブラックとニューヨークa隊の共同作戦で顔を合わせるが、どうやら僕は嫌われているらしい。 上辺だけの挨拶はするが、睨まれた経験しかない。 まあ、僕との関係が良好でなくても彼の仕事はいつも完璧だし頼れる兵士だ。 マイヤーズ隊長に、レッドファイヤーとダイヤモンドがニューヨークに残る。 安心だろう。 「スティーブ!」 エレベーターを降りると、今回一緒に中国へ行くアイスマンことハントが待っていた。 ハントは子供の頃に中国に住んでいたらしく中国語が堪能だ。 「ジェットの準備は出来てる。さっさと行くぞ。途中で大富豪を拾う」 「トム•コーヴィン?」 「ああ。スプリングフィールドにある城に住んでるらしい」 「他のメンバーは?」 「ハワード支部長。もうジェットで待機してる」 「了解」

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