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第23話(カイト)
ガタガタ!ガタガタガタガタガタガタ!!
「え?じ、地震?!」
城の窓がガタガタ音を立てる。
建物が揺れた感じはしなかったけど、天井から下がる大きなシャンデリアも小刻みに揺れて大きな音を出している。
ベッドから跳ね起きたらトムに笑われた。
「大丈夫だよカイト。早朝から煩くしてすまない。僕の迎えだよ」
トムはもうスーツに着替えている。
「あんた、いつ寝てんの?」
「さっきまで君を抱っこして寝てた。
それより、これから中国へ断つ。キスで送り出してくれるかな?」
「えー、どうしようかなぁって、うわ!」
トムは強引にキスをしてきた。
「離れたくない、カイト愛してる」
「!?」
良い匂いと髭が鼻先をくすぐる。
俺はまた何も言えずにキスに応えるのに精一杯だ。
「あ、い、行ってらっしゃい」
「戻って来たら休暇を取るからどこか出掛けよう。デートだ」
デート!!!
「わかった」
デート?俺のデート経験なんて高校生の時のディズニーデートぐらい。
どうしよ。
トムにミッキーのカチューシャは無理だ。
いや、ディズニーデートじゃないだろ。
え、でも大人はどこ行くんだ?!
どうしよう。
デートって何するの?!
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