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とある負傷兵の独り言3

いつからか、月曜日に届く花を心待ちにする様になっていた。 鮮やかな色とりどりの花。甘い爽やかな香。 俺のすっかり真っ黒になった心を少しずつ癒してくれた。 いや、花だけじゃない、アイツの存在も俺を変えた。 花を毎週届けに来る花屋のマイクだ。 マイクは花みたいな男だ。 瑞々しい花。 明るい太陽の光を浴びて真っ直ぐに力強く伸びる花。 俺を暗闇から簡単に引き摺り出してくれた。 「好きな色は?」 俺の質問に、マイクは振り返る。  「どうしたの?急に」 「いや、別にいいだろ好きな色ぐらい聞いたって」 「あ〜、、、」 「赤?」 「急かさないでよ、、、多分、青かな」 「あ、青?!」 青い花ってなんかあったか?? 「え?そんな驚く事?!」 「いや、別に」 青か、、、 「どんな青?ほら、水色とか藍色とか青にも色々あるだろ?」 「ブルースターみたいな淡い感じが好きかな」 「ブルースターか、、、」 「ジェイクは何が好き?」 「お前」 「え?」 「いや、お前が先週持って来た、ホラアレだ、ジギタリスみたいな赤紫が好きだ」 「そうなんだ。また持って来るよ」 「ああ、わかった、その、た、楽しみにしてる」 「また来週ね」 マイクは楽しそうに去って行く。俺には引き留める術が無い。 「クソ。ガキかよ俺は」 でも、ブルースターが好きだと分かった。 早速、スマホでブルースターと近所の花屋を検索する。 「花屋に花をプレゼントってアリなのか?」 いつもの礼に、マイクへ何か渡そうと考えたが、全然思いつかねぇ。 戦場に長く居て恋人は3年も居なかった。 久しぶりに男に惚れたから余計に何をどうするか柄にも無く悩んでる。 「エリソンさん、そろそろリハビリの時間ですよ」 担当ナースのデイジーだ。 足は大分良くなって来ている。 「あいつ喜ぶかな?」

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