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その後(2)

 アルバラの許可が下りてすぐ、ルークはさっそくアルバラの口を開く。間も置かずすぐに唇を重ねると、アルバラの方から舌を出してきた。  いったい誰に教わったのか。触れたいと思っての衝動的な行動であれば良いが、もしもユーリウスとのことが行動に無意識に出ているのであれば、許し難いことである。  舌を絡めると、アルバラは鼻に抜けるような甘い声を出した。くぐもったそれはルークにも伝って、体の奥に甘く消える。 「ぁ、んぅ……ルー、さ、」  舌を吸い上げて、唾液を溶かす。上顎も歯列も、知らないところなどないようにと、ルークは存外丁寧に口腔を犯していく。  どこもかしこも柔らかい。貪れば貪るほど、無尽蔵に欲求が湧き上がってくる。 「はぁ……アルバラ……」  ルークはゆっくりと押し倒すように上に乗ると、アルバラを自身とベッドに閉じ込めた。  体がピタリとひっついて、二人の間に熱がこもる。アルバラはやはり細い。華奢で小さくて、ルークが本気で抱きしめれば骨が折れてしまいそうだ。  アルバラは怯えるどころか、ルークの腰のあたりに手を置いてシャツをぎゅっと握り締めていた。  口腔にも拒絶はない。アルバラからも舌を絡めて、求めるように吸い付いてくる。  目を閉じたアルバラは、ルークの動きに応えるのに必死のようだ。そんな表情を見ていると、ルークの衝動も突き動かされる。 「……勃ってるな」  ルークの手が、不意に下腹へと下がった。 「わっ、あ、そこは……」 「どうした」  アルバラのそこは、すでに緩く勃ち上がっていた。主張するように布を押し上げて、ふんわりとしたテントを張っている。  ルークがそこに触れると、アルバラは慌てたように逃れようと体を動かした。しかし許すはずもない。ルークはしっかりと自身とベッドに閉じ込めて、布越しにその先端をカリカリとひっかく。 「あっ、やだ……ん……!」 「嫌? 固くなってきたが」 「や、だぁ……変、それ……ムズムズする……」  ルークに縋るように甘えた声を出すアルバラに、ルークは思わずキスを落とす。ほとんど本能的な行動だった。やはり口腔内を激しく犯すけれど、アルバラからの拒否はない。  ルークの手の内で、アルバラのそこはだんだんと固くなる。やがてピンとテントを張ったそこに、ルークは早急に手を入れた。 「ふっ! ん、ぅ……!」  閉じ込められて動けない中、張り詰めたそこに直接手が触れる。アルバラは強引に顔を背けると、ルークの肩に額を押し付けて小刻みに震えていた。 「あっ、ルーク、さん、そこ……変、です……!」  ルークは感触を楽しむように、ぬるぬると先走りを塗りつける。先っぽを剥いてそこを優しく擦ると、アルバラの腰はわかりやすく大きく跳ねた。  ——ルークに男の経験はない。そもそも他人に興味がなかったし、性欲も強く感じたことはなく、溜まれば定期的に出すというだけだったから、セックスもほとんど作業のようなものだった。  ルークから相手に触れたことなど一度もないだろう。けれど今ばかりはどうしようもなく触れたくて仕方がない。アルバラの体の隅々にまで触れて、アルバラを溶かすほどに快楽に溺れさせてやりたいと、そればかりを考えてしまう。 「気持ちがいいということだ、アルバラ」 「あ、んっ、き、もち、いい……?」 「言ってみろ」  今、アルバラはどうなっているのか。どうしても見たくなって、ルークはすぐに体を起こした。  眼下に、乱れたアルバラがうっとりと目尻を垂らしている姿が見えた。シャツは胸上までまくり上げられて、下も腿の真ん中ほどまでずり下げられている。ルークが触れている可愛らしい色をした中心は、すでに先走りでぐちゅぐちゅになっていた。  他の誰でもないルークが、無垢なアルバラをこんなふうに乱れさせている。  そんな認識が、さらに支配欲を駆り立てる。 「気持ち、いいです……ルークさん……ん、ぅっ」 「そうか」  表情にはまったく出ていないけれど、ルークも限界が近かった。  触れてもいないのに、ルークの中心はすでに痛いほどに膨らんでいる。呼吸も荒く整わないし、体の奥から這い上がる熱は暴走しかけているようだ。それでもなんとか堪えているのは、悶えるアルバラをもっと見てみたいという欲求からだった。  ルークが身をかがめると、アルバラの目が追いかける。うっとりとした表情で、次は何をするのかと視線から問いかけていた。 「ルークさん……?」 「嫌だったら本気で抵抗しろ」  言い終わってすぐ、ルークはぬるりと熱い口内に、アルバラの反り立った中心をのみ込んだ。  アルバラの体が一気に強張る。経験したこともないような快楽に、思わずルークの頭を押し返した。 「や! あっ、気持ちい、です……! ルークさん、おかし、い、それっ」  まるで味わうように、ルークは先っぽを丹念に舐めあげる。舌先が裏筋から睾丸に伝うと、剥けた先端は指で擦られて、触れられているすべてから快楽が生まれていく。  アルバラの頭の中は真っ白だった。ただルークを思う気持ちだけが色づいて、もっと触れてとはしたなく強請ってしまう。  ぐちゅぐちゅと音が聞こえるたびに、アルバラの快楽は増していた。脚が自然と開いて、無意識に腰も揺れている。 「あ、で、ちゃう、ルークさ、おしっこぉ、出ちゃ……」 「ふ。それもいいかもしれないな」 「や、あっ、やめ……!」  ゾクゾクと背筋に電流が走ると同時、アルバラは腰を突き上げるような体勢で体を大きく震わせた。  ルークの手に白濁が散る。アルバラはまるで糸が切れた人形のように、ぱたりとベッドに体を沈める。 「はっ、はぁ、すみ、ませ……」 「いや……」  手の内でゆったりと白濁を混ぜると、ルークはそこをパッと開いてじっくりと見つめる。  広がった白が、どろりと垂れた。 「おまえも射精をするんだな……」 「……へ?」 「こちらの話だ」  アルバラをくるりと反転させると、ルークはさっそく尻を開いた。いい加減限界だ。早く挿れてしまわなければ、変に乱暴にしてしまうかもしれない。  ルークは極力焦らないようにと、開いた尻を一度大きく舐めあげる。白くてもちもちとしたそこは、いつまでも触っていたいと思えるような、癖になる感触だった。

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