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おまけ(2)

「へへ、ルークさんと二人きりだ」 「何が嬉しい」 「いつもはいろんな人に取られちゃいますけど、今は独り占めできて嬉しいんです」  ベッドの縁に腰掛けると、ルークはいつものように膝の上にアルバラを座らせた。すっかり慣れた体勢だ。アルバラも抵抗はないのか、ルークにひっついたままである。  それにしても。  仕事に行くことを、黒服に取られる、と思っていたとは。そんな認識であったことにも驚きだが、黒服たちもできればルークと居たいとは思っていないのだろうから、なんだかちぐはぐで面白い。黒服からすれば、ルークのことなどいち早くアルバラに渡してやりたくて仕方がないはずである。 「あの……ルークさん」 「どうした」  恥ずかしそうにはにかんで、どこかもじもじとした動きを繰り返す。照れた様子は愛らしいが、何を言われるのかはまったく想像ができない。 「……一週間ずっとルークさんを見てなかったから、なんだか直視できなくて……へ、変ですよね。あの……ルークさん、格好良くて、久しぶりに会うとなんかドキドキしちゃって……」  ずっと会いたかったはずなのに、いざ目の前にいるとどうすれば良いか分からなくなる。緊張するし、目も見れない。そんなアルバラに、ルークはあらゆる感情を抑えるように、アルバラをきつく抱きしめた。  ——ルークだって、どれほどスムーズに仕事が終ろうとも、こうしてアルバラに触れたくてムシャクシャしていた。おそらく苛立ちもあった。だから黒服はミスのないようにと普段よりも緊張していたし、先ほどもアルバラが現れた途端に安堵したような表情を浮かべていた。 (……本当に、こいつは……)  どうしてそれを口に出せるのか。  ルークなんて心の中で渦巻いて、吐き出されることもなく悶々としているというのに。 「ルークさん……?」 「……アル。触れてもいいか」  言いながらベッドに押し倒して、キスができる距離で尋ねる。  ルークは意地悪だ。そんなことを聞かなくても、アルバラはいつだってルークに触れてほしいと思っている。 「はい。たくさん……僕も、触れたいです」  アルバラが少し動くと、軽く唇が重なった。それを合図に、ルークはのし掛かるように体重をかけて、口付けを深めていく。  貪るような動きだけれど、一週間ぶりのそれにアルバラはうっとりと浸っていた。  ルークの舌は荒々しく動く。アルバラはいつも応えるのに必死だ。吸い上げられるとわけが分からなくなるし、ルークに口腔を犯されていると思うだけで達しそうにもなってしまう。  熱が下腹へと集まると同時、ルークの手がそこに触れた。 「んっ……ふ、ぁ、」 「はぁ……アル。もうこんなに固くなったのか」  布越しに撫でられて、もどかしい快楽につい腰が揺れた。  こんな生温い快楽ではなくて、もっと強烈なものがほしい。ルークに触れられるとどれほどの快楽が得られるのかを知っているアルバラは、必死に涙目で訴えかける。 「ルークさ……お願い……僕、もう……」  腰を揺らして、ルークの手に強引に擦り付ける。そのいやらしい動きに、ルークの喉が自然と鳴る。  見惚れていたルークを置いて、アルバラはとうとう自身でスラックスを寛げた。そうしてポロリと愛らしいそれを取り出すと、ルークの手に押し付ける。 「ルークさん……触って……もう、挿れてください」  ルークの理性がぐらりと揺れた。  このまま奥まで突き立ててやりたい。そんなことを本能的に思ってしまうけれど、アルバラを傷つけないためにもとなんとか堪える。  落ち着けと言い聞かせて、ルークは一度軽いキスを落とした。 「まだダメだ」 「や……なんで……」  純粋で無垢なアルバラは、だからこそすぐに吸収する。エッチなことももちろんそうだ。まさかこんなふうに誘われるとは思ってもいなかったから、あんまり素直すぎるのもいけないなと、ルークは頭の片隅でそんなことを思っていた。  でもなければ、おもにルークの気がもたないだろう。  一つ息を吐き出して、落ち着けと自身に言い聞かせる。本当にどこまでも可愛くて仕方がない。  優位性を取り戻すべくアルバラの蕾に触れると、そこはすでに濡れていた。少し指を挿れてみれば、柔らかいのが感触でわかる。 「……アル。これは」  まさかそんな可能性はあるわけがないけれど、ルークの不在時に他の誰かと——。  一瞬だけそう考えて、アルバラから少し距離をとる。ルークの下では、やはりアルバラがうっとりとルークを見上げていた。 「……だって、ルークさんが居なかったから……僕、我慢できなくて」 「……何?」 「ルークさんを思い出して……その……一人で、たくさん……」  真っ赤になったアルバラは、それだけ言って目元を手で隠してしまった。  そうだ。アルバラが浮気なんてするはずがない。ここにはアシュレイも居るし、黒服だって配置されている。イレーネだって居る。そもそも、ルークの婚約者であるアルバラを奪おうなんて命知らずが存在するわけがないのだ。  一瞬でもアルバラを疑ってしまったのは、その純粋さゆえである。もしかしたら、純粋で無垢だからこそ誰かに流されたのではないか。「浮気」が悪いことだと知らないのではないか。うまく言いくるめられたのではないか。信用していないわけではなく、そんなことを考えてしまった。 (そうか、当たり前だ。こいつが浮気なんかするわけがない)  けれど、煮え切らない感情は心の中に残っている。さらに一人で「たくさん」していたなんて、そんなことを言われてしまえば止められるわけもない。  ルークはすぐに自身のそれを取り出すと、半分脱げたアルバラの華奢な肢体を見下ろして、興奮のままに擦り上げた。  それは手の内で一気に固くなる。早くアルバラに入りたいと主張でもするかのように、限界まで重たく勃起していた。 「あっ……ルークさん……それ……」 「挿れるぞ」 「まって、僕、舐めたいです」 「あとでな」  アルバラの膝裏を持って脚を開くと、ルークは自身のそこを蕾に固定した。ぬちぬちといやらしい音を立てて擦れるたび、蕾が誘うように収縮している。すっかりセックスに慣れた場所だ。熟れた色をして、ルークの先っぽを喜んでのみ込もうとしていた。

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