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思わぬ告白①
「昨夜は遼河って、呼んでくれたのに。
水臭いなぁ……俺と大晴の、仲だろ?」
オレトタイセイノ、ナカ???
ちゅっ、と音をたてて頬にキスをされ、あまりの意味の分からなさに脳がショートし掛けた。
困惑し、ポカンと大きく口を開けたまま、彼の整った顔をただじっと見上げる。
そんな僕を見て早乙女くんは、プッと可笑しそうに吹き出した。
「ヤバ!何だよ?その顔。
マジで、面白過ぎんだけど!
だけど、忘れちゃったなら……。
仕方がないなぁ、今からぜーんぶ思い出そっか?
お前が忘れても、カラダはきっと覚えてるよ」
再び近付いてくる、彼の無駄に綺麗な顔面。
今度は避けようとしたけれど、顎を指先で固定され、強く抱き締められたまま、またしてもキスで唇を塞がれてしまった。
逃れようと、必死に身を捩る僕。
だけどそんなささやかな抵抗はものともせず、早乙女くんはさっきよりも乱暴に僕の唇を貪った。
室内に響く、ぴちゃぴちゃという卑猥な水音。
彼の舌先は僕の口内で、好き勝手に暴れ続けた。
そして、その結果。
……そこまで経験が豊富でない僕は、あっさり蕩けさせられた。
余裕な感じでクスリと笑う、早乙女くん。
それに気付きながらも拒む事すら出来ず、与えられる口付けに溺れた。
「昨日したのは、これだけじゃないから」
言いながら、僕の下半身に伸ばされた彼の大きくて男らしい手のひら。
さすがに抵抗しなくちゃと思うのに、体からは力が完全に抜けきってしまっていたから、まるで人形のようにただ彼が何をするのかじっと見つめている事しか出来なかった。
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